こんにちは。


今回のテーマは、被相続人が上場株式を保有していた場合の相続手続きについてです。

1.上場株式の相続手続きには2種類ある。

上場株式の相続手続きには、大きく分けて2種類あります。

ひとつめは被相続人が、「証券会社の口座」で保有していた株式の相続


ふたつめは信託銀行等の「特別口座」で管理されている株式の相続です。

2.「証券会社の口座」で保有していた株式の相続手続き

被相続人が、証券会社に口座を開設しており、その口座で保有していた株式の相続手続きは以下の通りです。

①株式を相続する相続人が、当該証券会社に口座を開設する。
②被相続人の証券口座から、相続人の証券口座に株式を移管する。

注意点としては、「原則として」、被相続人が証券口座を保有していた証券会社に、
相続人の証券口座も開設する必要があることです。(例外もあり)

3.信託銀行等の「特別口座」で管理されている株式の相続手続き

「特別口座」というのは、少し聞きなれない言葉です。
確定申告不要の「特定口座」とは全く異なるものですのでご注意下さい。

「特別口座」とは、2009年1月の株券の電子化実施時に、株券を証券会社に預託していなかった株主等の権利保全ために、信託銀行等に株主名義で開設された口座です。

株券電子化実施時に、上場株式の株券は全て効力を失いましたが、その時点で、いわゆるタンス株のままであった株主のために、株主名簿管理人である信託銀行等が、強制的に株主名義の口座を開設したものです。

特別口座の相続手続きは以下の通りです。

①特別口座を管理している信託銀行等に相続承継書類を提出する。
②相続人の証券会社の「一般口座」に株式を移管する

注意点としては、
相続人の証券会社の口座は「一般口座」である必要があることです。

現在、株式を保有されている方は、確定申告不要の「特定口座」を選択している方が多いかと思います。
しかし、「特別口座」から「特定口座」への移管はできません。「一般口座」への移管のみです。

「一般口座」を保有していない相続人は、いずれかの証券会社に「一般口座」を開設する必要があります。

また、相続手続きの際は、相続人の証券口座の口座番号とは別に、
機構加入者コード(7桁)、加入者口座コード(21桁)の情報が必要となります。

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以上が、上場株式の相続手続き2種類の大まかな流れです。
例外があったり、証券会社ごとに差異があったりする点はご了承下さい。

また、今回は単元未満株式については触れておりません。
単元未満株式については、また異なる相続手続きとなりますのでご注意下さい。