31-1. 登記識別情報の「証明」制度とは
登記名義人(相続人・一般承継人)は、登記官に対して、手数料を納付して以下の証明を請求することができる。
①「有効証明」
→登記識別情報が有効であることの証明
②「(不)失効証明」
→不通知であること又は失効していることの証明
登記識別情報の効力を決済前にあらかじめ確認してくことにより、決済をスムーズに行うことが出来る。いずれも司法書士等の委任代理人によって請求できる。また電子申請・書面申請のどちらも可能である。
31-2. 登記識別情報の「有効証明」
「有効証明」を請求するには、登記識別情報の提供が必要となる。
このため、決済前に登記識別情報を預かることの困難さ、また識別シールを剥がしてしまうことの危険性があり、実務上、利用するには難しい面がある。
31-3. 登記識別情報の「(不)失効証明」
「(不)失効証明」には、登記識別情報の提供は不要である。
失効していない場合は、「次の理由により,証明することはできません。 当該登記に係る登記識別情報が通知され,かつ,失効していません。」と回答される。
これにより、登記名義人が提出してきた登記識別情報が正しいものかどうかまでは判明できないが、失効していないところまでは確認出来る。
自分の所属する事務所では、決済前日にこの「失効証明」を請求し、失効していないことを確認している。
※不登令22条※(登記識別情報に関する証明)
1項 登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、手数料を納付して、登記識別情報が有効であることの証明その他の登記識別情報に関する証明を請求することができる。
2項・3項省略
※不登規68条※(登記識別情報 に関する証明)
- 1項 令第二十二条第一項
に規定する証明の請求は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「有効証明請求情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
- 一 請求人の氏名又は名称及び住所
- 二 請求人が法人 であるときは、その代表者の氏名
- 三 代理人 によって請求をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
- 四 請求人が登記名義人の相続人その他の一般承継人 であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所
- 五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項
- イ 不動産所在事項又は不動産番号
- ロ 登記の目的
- ハ 申請の受付の年月日及び受付番号
- ニ 第三項第一号に掲げる方法により請求をするときは、甲区又は乙区の別
- 六 第十五項の規定により同項に規定する情報を提供しないときは、その旨及び当該情報の表示
2項 前項の証明の請求(登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明の請求を除く。)をするときは、有効証明請求情報と併せて登記識別情報を提供しなければならない。第六十六条 の規定は、この場合における登記識別情報の提供方法について準用する。
3項・4項省略
5項 有効証明請求情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、有効証明請求情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。
6項 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の証明の請求をするときは、その有効証明請求情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。
7項~15項省略
※不登準則40条※(登記識別情報 に関する証明)
1項 登記官は,令第22条第1項 に規定する登記識別情報に関する証明(登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明を除く。)の請求があった場合において,提供された登記識別情報が請求に係る登記についてのものであり,かつ,失効していないときは,請求に係る登記を表示した上,「上記の登記について平成何年何月何日受付第何号の請求により提供された登記識別情報は,当該登記に係るものであり,失効していないことを証明する。」旨の認証文を付すものとする。ただし,有効であることの証明ができないときは,次の各号に掲げる事由の区分に応じて,それぞれ当該各号に定める認証文を付して,有効であることの証明ができない理由を明らかにするものとする。
- 一 請求に係る登記があり,かつ,当該登記の登記名義人についての登記識別情報が失効していないが,当該登記の登記名義人についての登記識別情報と提供された登記識別情報とが一致しないとき。 「上記の登記について平成何年何月何日受付第何号の請求により提供された登記識別情報は,正しい登記識別情報と一致しません。」
- 二 請求に係る登記があるが,当該登記の登記名義人についての登記識別情報が通知されず,又は失効しているとき。 「上記の登記に係る登記識別情報が通知されず,又は失効しています。」
- 三 請求に係る登記があるが,請求人が登記名義人又はその一般承継人であることが確認することができないとき。 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求人は,請求人としての適格があると認められません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
- 四 請求に係る登記がないとき。 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求に係る登記はありません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
- 五 前各号の場合以外の理由により証明することができないとき。 これらの例にならって,例えば,登記手数料の納付がないなど具体的な理由を認証文に示して明らかにするものとする。
2項 登記官は,令第22条第1項 に規定する登記識別情報に関する証明のうち登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明の請求があった場合において,請求に係る登記の登記名義人についての登記識別情報が通知されず,又は失効しているときは,請求に係る登記を表示した上,「上記の登記に係る登記識別情報が通知されず,又は失効しています。」旨の認証文を付すものとする。ただし,登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明ができないときは,次の各号に掲げる事由の区分に応じて,それぞれ当該各号に定める認証文を付して,登記識別情報が通知されていないこと又は失効していることの証明ができない理由を明らかにするものとする。
- 一 請求に係る登記があるが,当該登記の登記名義人についての登記識別情報が通知され,かつ,失効していないとき 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,次の理由により,証明することはできません。
当該登記に係る登記識別情報が通知され,かつ,失効していません。
(注)この証明は,上記請求において登記識別情報が提供されていないため,当該登記に係る登記識別情報が通知され,かつ,失効していない事実のみを証明するものであり,特定の登記識別情報が当該登記に係る登記識別情報として有効であることを証明するものではありません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
- 二 請求に係る登記があるが,請求人が登記名義人又はその一般承継人であることが確認することができないとき。 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求人は,請求人としての適格があると認められません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
- 三 請求に係る登記がないとき。 「別添の請求番号何番の登記に係る平成何年何月何日受付第何号の登記識別情報に関する証明の請求については,請求に係る登記はありません。」
(注)別添として,請求情報又は請求情報を記載した書面を添付する。なお,請求情報において明らかにされた各不動産を特定するための番号(請求番号)により証明に係る不動産及び登記を特定するものとする。
- 四 前3号の場合以外の理由により証明することができないとき。 これらの例にならって,例えば,登記手数料の納付がないなど具体的な理由を認証文に示して明らかにするものとする。
3項第126条第1項 の規定は,前2項の証明の請求書を受け付けた場合について準用する。
4項 第1項の証明は,当該登記識別情報に関する証明の請求の受付の前に同一の登記識別情報について受け付けられた失効の申出がある場合には,当該申出に基づく措置をした後でなければ,することができない。