「それで、自分、

小学校はなぜ義務教育なのか、

わかったんやろな」

と口をモグモグさせながら言う伝太さんに、

 

 

「それが、考えてもわからないので」

と言いかけると、

 

「自分、大丈夫か?

考えるというのは、自分の頭を働かせるということやぞ、

頭の中にその答えがないのに、

頭を働かせて見つかるんか、

それはただ言い訳してるだけやないか、

考えるとかいうそんな言葉いらんねん、

頭の中にあるかどうか感じて、

なかったら、持っている人に素直に教えてくださいと

聞いたらええやないか」

 

 

と一気に言うと、

 

 

続けて、

「それとも何か、

自分の教師としてのプライドが許さんとか

言うんか、本物の教師になる覚悟も

できてないのに」

 

 

と僕にとどめを刺した。

 

 

 

そこまでハッキリといわれると、

僕はもうなんの反論もできなかった。

 

 

「わからないので、教えてください」

と言うと、

 

 

「最初から、それでええんや、

人生で一番大切なのは、

素直さや、

素直な人ほど、人生が豊かになるからな。

 

 

しかしな、

人の言うことを全部受け入れることが

素直とは違うんや。

 

 

 

自分の心が本当に欲しているものを心に聴き、

それを行動にうつすことや。

 

 

 

わかったら、今から大事なことを伝えるが、

それを受け入れて、行動にうつすのもええし、

聞かなかったことにして、何もしないというのでもええ。

 

 

全ては選択やからな。それが自分の人生や。

 

 

しかし、

自分は、教師である限り、

子どもたちの人生も背負っている

ということだけは忘れるなよ」

と一気に言うと、

 

 

「それで、自分、

名前は何て言うんや」

 

とやっとそこで名前を聞かれた。

 

 

 

つづく

今日もありがとうございます。

明日もよろしくお願いいたします。

 

 

 

メッセンジャー阿川龍翔