伝説と呼ばれる走り屋がいた。

そのものは強く速く、見るものを魅了した。

それももう、過去の話だが...。



第一章 新参


Y県のとある場所。

木戸山峠と呼ばれるそこは、走り屋が集うスポットだ。

速い者遅い者入り混じり、それぞれの楽しみ方をしていた。


その中で一際目を引くマシンがあった。

その峠で「最速」と臆される、青いスープラだ。

木戸山でドリフト勝負をしても絶対に勝てない。

そう謳われてきた。


今宵も新たな挑戦者が...





(???)「ここが木戸山峠...」

赤いR33の青年だ。名前は楠木 秋夜(くすき しゅうや)。

秋夜「見た感じ道もよくてハイスピードそうなコースだなぁ...」


峠の中腹あたり、上り側から見て三差路のイン側にある広場に

たくさんの車が止まっている。

秋夜「ここで聞き込めば...」



(???)「やぁ。いらっしゃい。用事は?」

きれいな顔立ちの女性が秋夜に声をかける。

秋夜「青いスープラと勝負がしたいんですけど...」

(???)「フフッ、あいつも人気者ねぇ...玲子、出番よ~」

秋夜「女...なのか?」


広場の奥から出てきたのは青いスープラ。

ゴツゴツとした派手なエアロとカーボンボンネット。

大きなGTウイングが目に入る。


玲子「いらっしゃい。この峠は初めて?」

おっとりとした顔の優しそうな女性だ。

秋夜「はい、そうです」

玲子「じゃ、ここのルールを教えるわね。
   勝負は往路、復路、下り、上りのいずれかで行うわ。
   往路はアクティビティパーク前の駐車帯から下のセブンまで。
   復路はその逆よ。
   下りはこの広場からセブン、上りはその逆。わかった?」

こくりと頷く。

玲子「じゃ、どれで走りたい?」

秋夜「じゃぁ...復路で。」

玲子「決まりね。とりあえずセブンまでいきましょ。」



この夜は、これまでの木戸山でのバトルで、一番白熱したものとなった...



-to be continue-