大型連休真っ只中だが、小生には全く無関係 ヾ(^^:;)...
なので、いつもどおりの話をば。
毎月行っている、マーラーブルックナーのディスク
聴き比べ。
今月はブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」
(副題は作曲家自身による物)。
カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの1973年11月の
録音のディスクをあれこれと聴いてゆく。
ブルックナーには縁が無いという向きも多かろうが、
例えばこの動画の
↓
https://www.youtube.com/watch?v=W57LY4D-4Fo
時間指定で、24分30秒ぐらいの所から聴くと、聞き
覚えのあるメロディが聞えてくる。
そう。ウルトラセブンの第26話「超兵器R1号」で
モロボシ・ダンが
(;--)<それは、血を吐きながら続ける
悲しいマラソンですよ・・・
というシーンで有名なBGMが大いに影響を受けている
のは明白。 元ネタといってもいいくらいだ ヾ(^^:;)...
ただ、今回はその部分でなく、第3楽章冒頭部分を聴く。
「狩りのスケルツォ」とも呼ばれ、(ドイツの)田園風景を
描写した親しみやすいメロディだが、ホルンを始めとする
管楽器と弦楽器群の溶け合い、一方でそれぞれの分離、
この辺りが、ディスクによって変るだろうか?
先ずは、LP。
国内盤2つ。
1.ポリドール L20C-2036 (1LP)
前回のマーラー「復活」で結果が良かったメータ盤と
同じく「直輸入メタル原盤使用」と帯にある。
だが、約1時間(58分ほど)ある交響曲を1枚のLPに
カッティングするのはやはり厳しい。
最初の試聴であり、これだけ聴いている分には、
こんな音質かなとは思うが、それより前に、明らか
にカッティングレベルが低い。従って、盤に傷がある
と非常に影響が大きい。
周波数的には低域を持ち上げている印象がある。
2.ポリドール L35C-3002~3 (2LP)
2台のオーディオ機器を聴き比べて、その音質の差
まわりの人と顔を見合わせるという経験を小生は
幾度もしているが、このLPも誰かと聴いていたら顔を
見合わせたことだろう・・・
と言いたいくらい、音質が向上。
ホルンの音が太くなったし、トランペットは突抜ける
音。まあ、上記1.は片面に30分以上、こちらは11分
だから当然ではあるが。
但し、弦楽器が少々歪みを感じる。また中古だから
仕方ないが、音がやんだときの針音は気になる。
続いて輸入盤
3.デッカ 593008 ( フランス盤 2LP)
上記日本盤2枚組の欠点が改善された輸入盤。
特にホルンが随分厚くなった印象。
他の楽器の音からして、弦楽器に感じる鋭さや
歪みは音源のテープのものだと考える他はない。
音域は高低とも伸びきっているわけではないが、
中域が充実。
4.デッカ 6BB171~2 (イギリス盤 2LP)
フランス盤の出来に気を良くして買った、1974年の
いわゆる「初出(書籍でいうなら初版)」LP。
大いに期待したんだが、
あまりパッとしない音質だった c(_ _ )ヾ(^^:;)...
フランス盤より帯域が狭く感じられ、特に低域が
薄い。ティンパニーが弱くては、この楽章の魅力
は半減である。
「オリジナル至上主義」のレコードコレクターが
よくいるが、聴かせてやりたいLPだ c(^、^ )ヾ(--:;)...
続いてCD及びSACD。
5.デッカ 448 098-2 (イギリス盤 1996年)
デッカといえばロンドン・レーベル。
ロンドンといえば2階建てバス。その「Double decker」
をもじった「DOUBLE DECCA」という2枚組シリーズで、
同じベーム/ウィーン・フィルの3番との2枚組。
中古LPばかり聴き続けたということもあるが、
「あ~、CDはいい」の一言。
ジャジャジャジャ~ン、と全楽器のフォルテシモが終り、
ホルンのみが再び「ポポ~」と鳴り出す時は、やはり
S/N比(サウンド・ノイズ比率)が大事。
あまり細部にこだわることなく聴いているつもりだが
どのLPよりティンパニーの存在感が増しているのは
ぼんやり聴いていても分る ヾ(^^:;)...
6.デッカ 475 8403 (EU盤 2007年)
5.とは表示されるトータル秒数が異なるので、
リマスターが行なわれた事が分る。
明らかにリマスターの効果が出ていて、よくあるとおり
楽器が前に出て来る。
これがいやだという人もいるが、ティンパニーは奥に
あるまま。つまり音に奥行きが出て来ている。
弦楽器の歪みはどうしても取れないが、カール・ベーム
の芸術を鑑賞するには過不足ない音だ。
そして国内盤。まず、通常CD
7.CD:ユニバーサル UCCD-50051 (2009年)
上の輸入盤とほぼ区別のつかない音。
トータル秒数も同じであり、同じ(96kHz24bit)デジタル
リマスターと考えられる。
アナログ時代の様に、本国のオリジナルマスターから
作った(杜撰な)コピー・テープが送られてくる
ことも最早なくなったということだな c(^、^ )ヾ(--:;)...
次にSHM-CD
8.SHM-CD:ユニバーサル UCCD-51006 (2017年)
これも、残念だが? ほぼ同じ音質。
SHM-CDなんだからな~
もう少し良くなって欲しかった c(--;)
いや、よ~く聴けばわずかに違う。だが枝葉末節。
1枚組 → 2枚組の様に「音楽に勢いが増す」といった
ことはない。
さて、最後はいよいよSACDである。
SACD:ユニバーサル PROC-2316~7 (2021年)
タワーレコード企画・販売のヴィンテージ・シリーズ
のVol.26(ユニバーサル PROC-2316~7(2枚組))、
これも交響曲第3番と4番のセット。
アナログ・マスターテープはその経年劣化と保存
状態に応じて、可能な範囲で入念な修復作業を
行った後に変換作業を実施
と、タワレコのサイトにはあるが、このSACDも上記
SHM-CD同様、(大きな)向上が聴かれることはない。
結論として、今回のベーム指揮ウィーン・フィルの
ロマンティックは、1枚物のLPは別として、アナログなら
容易に入手できる中古輸入盤、CDでも「リマスター」と
記載のあるCDで充分ということになる。
世代の若いマスターからカッティングされたLPがいい、
であるとかSACDは音質的に有利なはずなのだが、必ず
しもそうは行かない。
いわば、ディスクの常識と定石を裏切る盤もあるのが
難しさでもあり、楽しさでもあろう。
しかし、UK盤の2枚組は余計な買物だった c(_ _ )ヾ(^^:;)...
でわ!
°゜°゜°。。ヘ(;^^)ノ さあ! 乃木スタ再開だっ!