今回の作品は、夏目漱石「文鳥」
(12年8月29日放送)。
朗読を二回担当し、二回とも漱石の作品だった川後陽菜
の二回目。
この週のストーリーテラーは斎藤ちはる。
今日紹介する作家は、夏目漱石
明治41年に大阪朝日新聞に掲載された
短編小説です
川後による作品紹介:
夏目漱石「文鳥」
弟子の鈴木三重吉の薦めで文鳥を飼うことに決めた漱石は
文鳥と籠を買ってくるように、三重吉にお金を渡します
そして冬のある日、白い文鳥が漱石の家にやって来ました
本編:
BGM:左胸の勇気 (ピアノ演奏)
翌朝眼が覚さめると硝子戸に日が射している
忽ち文鳥に餌をやらなければならないなと思った
けれども起きるのが退儀であった
今にやろう、今にやろうと考えているうちに、とうとう
八時過になった
仕方がないから顔を洗うついでをもって、鳥籠を
明海(あかるみ)へ出した
文鳥は眼をぱちつかせている。もっと早く起きたかったろうと
思ったら気の毒になった
明くる日ひもまた気の毒な事に遅く起きて、籠を出してやったの
は、やっぱり八時過ぎであった
それでも文鳥は一向不平らしい顔もしなかった
籠が明るい所へ出るや否や、いきなり眼をしばたたいて、
心持ち首をすくめて、自分の顔を見た
昔 美しい女を知っていた
この女が机に凭(も)たれて何か考えているところを、後ろから、
そっと行って、頸筋(くびすじ)の細いあたりを、上から撫で廻し
たら、女はものう気げに後を向いた
その時女の眉は心持ち八の字に寄っていた。それで眼尻
と口元には笑が萌(きざ)していた
文鳥が自分を見た時、ふとこの女の事を思い出した
この女は今、嫁に行った
目が覚めると、外は白い霜だ
この一本をふかしてしまったら、起きて籠から出してやろうと
思いながら、口から出る煙けぶりの行方ゆくえを見つめていた
するとこの煙の中に、昔の女の顔がちょっと見えた
寝巻の上へ羽織を引掛ひっかけて、すぐ縁側へ出た
そうして箱の葢ふたをはずして、文鳥を出した
文鳥は箱から出ながら千代千代と二声鳴いた
CM②:Bicycle
メイキング:
「お婆ちゃんちで、猫を3匹くらいと犬を1匹飼っていて
今グミ食べたいからグミにしよう、っていって
猫の名前、グミにしました」
編集でカットが入り
「好きな動物がアルパカなので、アルパカ飼いたいです」
という他愛のないしゃべり。
AKBを手放してしまったソニーが、乃木坂を結成する際、
もう失敗が出来ないから、アイドル活動経験者を採用した
が、川後もその一人(旧芸名 川相陽菜)で
あったなどとは今更言うのも恥ずかしい ヾ(^^:;)....
漱石文学を悪くいうとイヤな顔をする人がいるが、さすがに
この「文鳥」を名作だというのは少数派だろう。
文鳥が漱石の家に来た、来たはいいが、飼うのに難儀して
最後にはエサをやらなかったので死んでしまった・・・
こんなもの、私小説だろう c(^、^ )ヾ(--:;)...
一方の映像だが、このとおり鳥カゴのみで文鳥そのものは
登場しない。
川後が鳥の羽を手に持っている画像をみるとどうにも、
もう少し演出を加えられなかったか、という気になる。
置物の鳥でいいから、ズームして
段々と大きくなって行くとか・・・
あ、それだと「鳥を見た」になってしまうか ヾ(^^:;)...
鳥を出すことより、文中の「昔 美しい女を知っていた」以降
の文章で川後を接写で撮影することに演出家は注力した・・・
と、好意的に解釈しておこう c(^、^ )ヾ(--:;)...
朗読は、前回の川村よりは上手いが、まあ平均的な出来
というところか。
次回の朗読は、能條愛未。
作品は、横光利一「笑われた子」。
でわ、また~ (^.^)/~~~