気象系の(山メイン)妄想小説です
実在する人物・団体とは一切関係ありません
BL的表現(18禁)を含みます
ご理解のある方のみお進み下さい







S side



卒業式の後…

何人かのグループで集まって雑談していたら…

時々…女子から呼ばれて…誰かが離れていく…



なんとなく…ソワソワしていると…

俺も…そのうちの一人になって…///



『あの…櫻井くん…///』

声を掛けられて…輪の中から抜け出た…





『ぁの…第2ボタン…貰えますか…///?』

キターッ///!!



『あ…』

『ぇ…///?』

そうだ…智との約束…

アイツが一番先に…コレが欲しいって…



ドキッ…///!

目の前の女子が…ジッと見つめてきた…///



『ゴメン…ちょっと…待って…?』

『ぁ…はぃ…///』

俺は…その子に背を向けて…



ブチッ!

ボタンを引きちぎった…



『じゃあ…これ…///?』

『っ…ありがとうございますっ…///!』

掌に差し出したボタン…

その子は…それを大切そうに手に取って…

ペコリと頭を下げて…走って行った…



『おっ…戻ってきたぞ〜!』

『おぉ!行ってきたぜ♪』

また…輪の中に戻り…

俺は…自慢げに制服を見せびらかしていた…



『櫻井スゲぇじゃん!2個も無くなってる!』

『だろ〜っ…w!?』

仲間内でワイワイしていたら…

そこに…智が来て…



『ぁ…しょぉ…ちゃん…?』

『智っ…』

目線が真っ直ぐに…俺の制服に向けられて…



『っ…///!』

『ぇ…?』

ドクンッ…!



そこには…ボタンの取れた制服…

明らかに…それを見てからの反応だった…



『ちょっ…!?』

ダッ!!

智が走って…その場から居なくなった…



俺は…ボタンを渡そうと…

学ランのポケットの中に手を入れたのに…



そう…女子には他のボタンを渡して…

第2ボタンは残してあった…



だけど俺は…

それをギュッと強く握り締めたまま…

暫く立ち尽くしてしまった…



その時…智の瞳を見てしまったから…

ポロッと涙がこぼれ落ちて…

思わず…声を抑えた…



ゴメンな…智…

追い掛けて…渡せば良かったのに…///



その涙の…本当の意味にも気付けず…

勇気も無くて…ヘタレな俺で…///