2016年に53歳という若さで他界してしまったラグビー元日本代表選手・監督として活躍した平尾誠二さん。

彼の友人で、自身の治療にあたったノーベル賞受賞者の山中伸弥教授に遺した言葉「人を叱る時の4つの心得」が胸に刻まれた。

 

・プレー(行動)は叱っても人格は責めない

・あとで必ずフォローする

・他人と比較しない

・長時間叱らない

 

以上の4つだが、自分は出来ているだろうか…。

書道に携わっている限り「教育」と向き合わなければならないし、「叱る」という場面もある。

その時にこの4つを頭に入れているかで意味が大きく変わるかもしれない。

勿論、現代の社会において多種多様な人格がある中では臨機応変に一人一人に向かう必要があるが、基本を持つことが大事だ。

 

今までの人生で人を叱ることは、他人と比較すると多かったかもしれない。

振り返ると漠然とこの4つをクリアーしていた気もするが、意識しておくことの大切さを感じるので、今後は念頭に置いて生徒や後輩(稀には先輩)を、「怒る」のではなく、きちんと「叱る」ようにしたい。

 

と、ここまでは「叱る」ことを考えたが、本当に大事なのは「叱られる」こと、ではないか。

 

・人格を責められているわけではないのだから、指導者を信じて誤ったプレー(行動)を改善しよう

・フォローに感謝しつつ甘え過ぎないようにしよう

・あくまで自分自身との闘いだが、自分より出来る他者に敬意を表し認めて、それを超える為の努力をしよう

・短い言葉の中から今の自分にとって最も大事なことを読み取ろう

 

例えばこんな風に構えて「叱られる」ことで「叱る」という行為における互いの効果が格段と増すのではないか。

平尾さんがそう言っていたかは知る由もないし、全く違うと言われるかもしれない。

ただ、自分はまだまだ未熟者なので教育を受ける立場でもある。

今後に活かすという意味ではむしろ「叱られる」立場の心構えを新たにさせていただいたことに感謝したい。

お久しぶりです。ついに書作にも新入社員が入りました。

仕事の分担以外にも新鮮な目で「書作」を見てより良い雑誌作りを共にしていきたいです。

さて、2018FIFAワールドカップロシア大会がいよいよ準決勝を迎えます。

ヨーロッパでの開催では今回も南米勢が苦戦。優勝経験のない国が2つ勝ち残り盛り上がっています。

サッカーファンの中にはご存知の方も多いかと思いますが、20年周期の法則というものがあります。

20年に一度必ず初優勝の国が優勝するというものです。今回の場合はベルギーとクロアチアです。

ベルギーは日本を破った国として応援している方も多いかと思いますが、書作人は個人的にクロアチアを最初から応援しております。

スター選手であるモドリッチが好きなのもありますが高校生の時にユニフォームを着ていたからかもしれません。

何故あれを後輩にあげてしまったか未だに後悔。。。

今夜と明日夜の準決勝、どこが勝ちあがろうと決勝と楽しみです!

 

そして、いつもいつもサッカーと書道を結びつけてしまう書作人です。

今回は書作人もプレーをしていたGKである日本代表の川島選手に注目です。

いろんな批判を受けながらもチームのために必死にゴールを守っていました。

西野監督が使い続けたのは、テレビを通して、試合しか観られない我々には伝わらない存在感があったのだと思っています。

今大会で気になったのは、歳を重ねることによってプレーの質が変わるということです。

川島選手は2010年南アフリカ大会で素晴らしい活躍をしました。

反射神経と身体能力を活かしたセービングと溢れ出る気迫でグループリーグ突破に貢献しました。

しかし、あれから8年。やはり衰えは顕著だったと思います。

元々ポジショニングは良くないと思っていましたが、今までは運動能力でカバーできていました。

失点につながった場面では特に目立ってしまいました。

ただ、GKのポジショニングは非常に難しいテクニックの一つです。

ボールが少しでも動く度にそれに合わせて修正しなければなりません。

その一歩、半歩のズレが失点を招いてしまうことになります。

 

自分の年齢、体力、運動能力等を踏まえたうえで、積み重ねてきた経験、磨き続けた技術を披露しなければなりません。

危ない場面のスーパーセーブもありましたし、三大会出場の経験は必ず活きていたと思います。

ですが、自分の能力の低下をきちんと正確に把握していたのかが気になります。

現状をしっかり把握できていれば違う選択、ポジショニングで失点を防ぐこともできたのでは。

書道で作品を制作する際にも、自分を客観視することはとても大事なことだと思います。

若い頃と同じ作品を書けることも素晴らしいですが、イマの自分に何ができるかもう一度考えたいと思います。

自分を知ることが何か飛躍のきっかけになるかも。と無理矢理?書道に置き換えて観戦していました。

今後の川島選手をはじめとした代表選手のさらなるご活躍を期待しています。

 

久しぶりに書いての長文、失礼いたしました。

 

書作人が兄と慕う先輩のお父様が傘寿の個展へ向けて作品制作をされています。

その様子を綴られている中の言葉が気になったので紹介いたします。



 ―ごく一部の方ではあるが、作る側にいる人の目ではなく、純粋に良いものを「美しい」「素晴らしい……」と素直に見てくれる人の目の方が怖い。

 展覧会場で、作品の前で小声で語り乍らみて下さる人が(私がその作者とは気づかずに)「これ、若々しいよネ……」「この線、強いね……」などと云って下さる声を耳にすると、しばらく眠れないほと嬉しいものである。―


この文の前には、作る側の人間は苦労を知っているために「愛情ある表現で、一部の良い所のみを評価してくれる」とあります。



作品制作において、書道をしている方、携わっている方の評価だけを気にし過ぎてはいけないと考えますが、かと言って関係ない方だけの評価を求めることもできません。

専門家を納得させた上で芸術として万人に認められるような作品…そんな作品は現実的に生まれる可能性は低い…しかし追い求めなくてはならないと思います。

真摯な態度で傘寿展に向けて制作を続ける先生の姿勢に身が引き締まる思いでしたので勝手に文を拝借しました。


また、会場で自分の作品について見知らぬ方が述べている感想に耳を立てる、そんな経験は皆さんあるかと思います。

聞いてしまうのは怖いようで、でも気になって仕方がない!

聞こえてきた言葉は知り合いに言われるよりも心に響くこともありますね。

傘寿展に向けて「若々しさ」と「強さ」を意識されていることにも感服いたしました。


展覧会の成功を心からお祈り申し上げます。



―展覧会のごあんない―


浦和

第41回 埼玉書道三十人展

2/23~28

埼玉県立近代美術館 048-824-0111


 

大阪

第81回浪速書道展

2/16~21

大阪市立美術館 06-6771-4874