夜の11時半。動画の編集は終わっているのに、サムネイルだけが決まらない。
私はこの状態がけっこう苦手です。
動画そのものは1時間くらいで編集できたのに、最後の画像で30分、40分と止まってしまう。「この色だと地味かな」「文字を大きくすると人物にかぶる」「スマホで見たら何も読めないかも」と考えているうちに、いつの間にか日付が変わっています。
最近は、こういう細かい作業の一部にAIを使うようになりました。特に面白かったのが、動画の内容から派生するビジュアルを作る使い方です。
最初に試したのは、Tシャツのデザインだった
動画の企画で、オリジナルグッズのデザインを考える機会がありました。
最初は普通に画像編集ソフトを開いたのですが、白いキャンバスを前にすると、意外と何も思いつかない。
そこで AI t-shirt design のような生成系の考え方を試してみました。
面白かったのは、「Tシャツをデザインして」とだけ考えるのではなく、動画のテーマを先に整理する必要があったことです。
たとえば「週末のカフェ巡り」なら、コーヒーカップだけを置くのか、街の雰囲気まで含めるのか、線画にするのか、少しレトロにするのか。
AIに入力する前に、自分の頭の中を整理する。
これだけでも結構違いました。
画像を作るより、構図を考えるほうが難しい
動画制作をしていると、画像の解像度やファイル形式ばかり気にしがちです。
でも実際には、構図のほうが先でした。
私はまず「主役を左側に置く」「右側に文字を入れる余白を残す」というように、大まかなレイアウトを決めてから画像を作るようにしています。
YouTubeも、サムネイルでは三分割法や読みやすいフォント、複雑にしすぎない構成を推奨しています。また、現在の公式ヘルプでは動画サムネイルについて16:9を推奨し、3840×2160px、JPGやPNGなどの仕様を案内しています。さらに、最もパフォーマンスの高い動画の90%にはカスタムサムネイルが使われている、とYouTube自身が説明しています。
この数字を見てから、私は「サムネイルは動画のおまけ」と考えなくなりました。
ただし、AIは普通に変なことをする
ここは実際に使っていて一番笑ったところです。
ある動画用のビジュアルを作ったとき、人物と商品を一緒に配置したかったのですが、生成結果では商品が妙な形になっていました。
全体の雰囲気は悪くない。
でも、よく見ると持っている商品の角度がおかしい。
一度ならいいのですが、条件を少し変えて生成すると、今度は人物の手の位置まで変わりました。
結局、その画像をそのまま使うのはやめて、人物部分だけを使い、商品は別素材に差し替えました。
こういうとき、AIに何度も「正しくして」とお願いするより、自分で分解したほうが早い。
最近はそう割り切っています。
名刺デザインでも同じことを感じた
別の作業では AI business card generator も試してみました。
動画制作者の場合、名刺は直接動画に関係ないようで、実はポートフォリオ撮影やプロフィール画像などの素材づくりと考え方が似ています。
情報を詰め込みすぎると、画面上では急に窮屈になる。
名前、肩書き、連絡先、SNSなどを全部入れたくなるのですが、最初に「何を一番見せたいか」を決めたほうが楽でした。
この感覚は動画のサムネイルにもそのまま使えます。
一時期、私はVideoAIを使っていくつかの生成パターンを試しました。ただ、最終的な判断は毎回自分で行いました。
AIを使っても、制作時間がゼロになるわけではない
ここは少し期待と違いました。
画像生成の時間は短くなっても、「どれを採用するか」で迷う時間は残ります。
むしろ候補が増えるので、選ぶのが大変になることもある。
だから最近は、最初から10枚の完成画像を作ろうとしません。
まず3案くらい作る。
その中から構図が使えそうなものを1つ選ぶ。
その後、自分でトリミングして、文字の位置を調整する。
この順番にしてから、夜中にサムネイルだけで悩み続けることが少し減りました。
最後に残ったのは「AIは下書き」という感覚
AI画像生成を使い始めて、デザインの仕事がなくなったとは思いません。
むしろ逆でした。
自分が何を作りたいのかを決めないと、AIに何を頼めばいいのか分からないからです。
私にとってAIは、完成品を出してくれる機械というより、最初のラフを大量に描いてくれるスケッチブックに近いです。
使える案もあれば、笑って削除する案もある。
そして最後に「これは自分の動画らしい」と判断するのは、やっぱり自分。
最近はそのくらいの距離感で使うのが、一番気楽だと感じています。
