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昨日、月次道院長通達が届きました。
というわけで今月も内容について思うところをつらつらと記載いたします。
月次道院長通達は、紙資料(PDF)と、補足説明資料(動画)とで構成されています。
昔は紙の内容を動画のほうで口頭説明といった印象を持っていましたが、いまは紙面に落としていない情報も動画で触れているようです。
今回の内容は、動画の冒頭で触れている僧階補任のお知らせです。
少林寺拳法の階級について
少林寺拳法の階級は、外部の方から見ると非常に難解でして、「〇段」とかそういうものだけではないのです。
ざっくりと書くとこんな感じ(2011年前後で武階・法階の定義が若干変わっててややこしさが増しています。ここではそんなことは忘れて本当にざっくり書きます。正しくはどこか公式資料をご参照ください)
武階:技法と教えの習熟度を評価するもの
これは一番一般的な〇段とか〇級とかですね。一応公式には九段まであります。開祖は(後にも先にも唯一無二な)十段という噂を聞いたことがありますが、真偽不明です。
「見習い(白帯)」からはじまり、6・5・4級(緑帯)、3・2・1級(茶帯)を経て初段(黒帯)になります。初段以降は二段・三段・・・と上がっていきますが、いずれも黒帯です。なお、少年部低学年は8・7級(黄帯)があります。級拳士はこの武階だけです。
法階:金剛禅としての、技法・教えの習熟度を評価するもの
初段以上で、(宗)金剛禅総本山少林寺所属のもの、もしくは一財所属の方でも所定の法階講習を受講したものは法階が得られます。
准拳士・少拳士・中拳士・正拳士・大拳士・准範士・正範士・・・みたいな感じで上がっていきます。
准拳士~正拳士は武階のそれぞれ初段~四段までと対応しており、道院所属であれば自動的に取得できます。自動的に、というのは特段法階取得のための試験があるわけではなく、武階の試験の合格を持って允可されるというものです。大拳士以降は、口頭試問や筆記試験などといった個別の試験があります。
僧階:金剛禅の布教者としての階級
今回のメインのものです。上の二つが「あなたの実力は?」と問われているのに対して、僧階は「布教者として」を問われていますので少し毛色が異なります。
少導師・権中導師・中導師・権大導師・大導師・権少法師・少法師・・・などと進んでいきます。
今回これの中導師・大導師に上がった方がお知らせされていました。めでたい!
僧階について
実は、僧階は本来的にはどんどん取っていかないといけないんですけど、自発的に「僧階を上げていこう!」という人がなかなか育たないのが実情です。
別に僧階を取らずとも布教はできる!という前向きなネガティブさを持った方もいれば、僧階はレポートをたくさん出さないといけないので単に「めんどい」という方もいます。
組織としては、(武階・法階に応じて、どんどん進めていくことを願っているのは当然として)役職に応じた以下の僧階取得をするよう呼び掛けています。
副道院長:中導師(少導師を有していないと務められない)
道院長 :大導師(中導師を有していないと務められない。なお、大導師未満の道院長は厳密には道院長ではなく「道院長心得」といいます)
僧階を取らねばらなぬモチベーションとしては、↑のような制度上の要件があります。では、「取りたいと思えるモチベーション」すなわちご褒美は何か?!・・・・・そんなもの、ない!!
ま、小教区研修会の講師を務めることができる、などの「追加のお仕事ができるどん!」みたいなのはありますが、普段道院で自分の弟子に指導してますので、小教区で他の道院の拳士にまで敢えて講師をしたい!って人はあまりいないような気がしています。
武階は、放っておいても「黒帯を締めたいんです!」とか「〇段合格を目指します!」という人は後を絶ちません。なぜでしょう。
僧階はかっこよくない。だが、それがいい!
俺、〇段なんだぜ!
という言葉と
俺、大導師なんだぜ!
という言葉では、世間での通りが違います。有り体に言ってしまえば段位はかっこいいけど、僧階はかっこよくない、なんであれば気持ち悪いのです。あえて取りに行きたい気持ちはわかない。少林寺拳法で高名な先生でも「え?あの人少導師なん?」って話もまま聞きます。
でも、私から言わせると、かっこ悪いからいいのです。取ったとしても別に世間の誰も認めてくれない。それがいい。認めてもらうためにやってるわけでもねーからな。
自分のため、布教のために、ご褒美がなかろうとも受けるというこのストイックな感じ!いいですね!
僧階に興味を持つ人が少しでも増えてくれるとうれしいですね。
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