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先日の練習で、昇級試験に向けた学科を取り組んでいる門下生に向けてお話しした内容です。

 

政治的な増税減税のお話ではないのであしからず。

 

 

学科はやらねばならぬもの

我々少林寺拳法の拳士は、まず強くなり(自己確立)、他者のことも思いやれる(自他共楽)人になるために修行をする仲間です。

 

修行は易筋行と呼ばれる拳技を磨くことが主体となりますが、これだけを行っているようではいけません。

 

鎮魂行をやって心を鎮め、学科を学んで生き方を学ばないといけないわけです。技法は面白いですが、それだけやっていることは許されないわけですね楽しいことばかりではございません。

 

少林寺拳法の拳士であれば、必ずやらなければならないこと、すなわち社会生活における税金のようなものととらえて、まずは逃げ道はないと思って腹を括って取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

『税率』は適切に

とはいえ「やらなきゃいけないことなんだからやれ!」と言われて、一日の練習時間の8割が学科になったらどうでしょうか。

 

学科が好きな人は「望むところだ!」と思うかもしれませんが、そういう人はおそらく少数派で、多くの人は「勘弁してくれ」と思うのが本当のところではないでしょうか。

 

創始者である宗道臣(以下、開祖)も、少林寺拳法を開基する前に、人生訓ばかりを若者に説こうとしたところ人が集まらず苦悩したというお話があります。そのためエサとして技法を教えつつ人生を説く(法話・学科)という今のスタイルになったようです。人間的魅力に溢れていたという開祖をもってしてもエサが充実していないと人はついてこないというのは、とても現実味のあるお話かと思います。

 

ですので、学科がいかに重要とはいえ練習に占めるその割合(≒税率)は注意して設定しないといけないのだと思います。

 

これは道院長、特に今後自分も年を取って身体が動かなくなってきた時にこそ、肝に銘じないといけないと思っています。

 

 

社会で役に立つのは?

社会に役に立つ人間を作ろう!と思ったときに、では何が役に立つんでしょうか。

 

腕っぷしが強くなって自信が身につくことも役には立つでしょう。ただそれでも、その腕っぷしを会社や家庭で披露するのは困難です。披露の仕方一つで社会的な制裁を受ける立場になりかねませんし、そもそも腕っぷしをよりどころとするようなスタンス自体が、武道をしていない多くの一般人からは粗野にみられます。

 

自分の考えをしっかり持ちつつ、他者との調和を意識した生き方ができることこそが重要なのではないでしょうか。それを学べるのは学科がメインです(易筋行でもこういうことを学べるように取り組むべきです)

 

また、学科は門法修学として師弟・仲間同士で議論することもあります。自分の考えをまとめて言葉にしなければいけないですし、人の話を聞けなければいけません。昇格試験などでは学科の宿題やテストがあります。文章として文字に起こせなければなりません。となると、話し言葉と書き言葉の違いなどもしっかりと押さえる必要があります。

 

「自分の意見をよく整えてアウトプットする」という本質的な話以外にも「いや、ぶっちゃけそんなこと聞かれましても」みたいに思いつつもなんかそれっぽく回答するスキルなんかも学科で学べます(偉い人に見られたら「お前そんなことやってたんか!」と怒られるやつ)

 

「アウトプットできたら確かに良いかもしれないけど、うちの会社ではそういうの求められないよ。」という方も、仲間や家族(親やお子さん)など大切な方の冠婚葬祭などで冷や汗をかくことになるのは嫌なのではないでしょうか

 

仕事以外のアウトプットの場ってあまりないですし、アウトプットするものが成果ではなく「自分の考え」であればなおさらです。

アウトプット以前に「自分の考え方」を見つめ直しつづけることは、豊かな人生には不可欠なのではないでしょうか。

 

そういうことを学べるのもまた学科という強制的に向き合う時間があることのメリットといえるのではないでしょうか。

 

 

 

苦手な人こそ適量の学科を

修行の心得に「修行を片寄らせないこと」というものがあります。

 

少林寺拳法を始めた動機に学科を挙げる人は少ないと思います。武道ですから「体を鍛える」のはイメージ通りかと思います。「心を鍛える」というのも道衣を着て苦難に立ち向かう中で得られる「忍耐力」的なイメージであって、まさか「ペーパーテストとは」と、イメージ差に戸惑う人が多いと思います。言い換えれば、武道を始めようと思った人は学科が苦手な人が相対的に多いのではないかと思うのです。

 

だからこそ、ぜひに学科に立ち向かっていただき、社会人として恥じない「読み書きそろばん」を手にできたらかっこいいと思いませんか?できる!少林寺拳法なら!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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