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今回は少し趣向を変えたお話を。社会人門下生も多いので、社会の動向のお話に始まり、そこから武道に関連付けを経て、我々少林寺拳法(の道院)としてはどうあるべきかを考える、そんなお話をできたらと思います。


長くなりますし、そもそも一社会人として押さえてる程度ですので個々の話はサクサク進めたいと思います。専門家でもないので、気になる点があってもご容赦ください。



時代はエコ。GX。

GXはグリーン・トランスフォーメーションと読みます。DX(デジタル・トランスフォーメーション)と並び、初見ではなかなか読めないですが、これからの時代に社会人としてやっていくためにはなかなか知りませんでは通じない概念です。





GXとは

GXは『2050 年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス削減目標の達成に向けた取り組みを経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けた経済社会システム全体の変革』と経済産業省が定めてるようです。


要は「今まで炭素とか使いまくってきたけど、もっと地球に優しい代替エネルギー使っていこうぜ」ということとうっすら理解してます。


一応、GX基本リーグ構想のリンク貼っておきます。




GXを重視してる企業

事例です。


代表的なのはテスラです。


自動車の会社ですが『持続可能なエネルギーへ、世界の移行を加速』を会社のミッションと位置付け、脱石油自動車を推し進めるとともに、電気自動車のシェアを拡大しています。






GXの持つ攻撃性

これはあくまで主観です。


GXにはある種の攻撃性があるかなと思っています。既存の在り方、今まで良しとしていた化石燃料を使用することに対して「そんなヒドイことを続けてて良いのか?」という種類のメッセージです。


製品が「我々の人生にどのような付加価値を与えてくれるか」だけではなく「その製品が如何にして作られたか」にまで言及し、仮に同じ付加価値を与えるものだとしても、エネルギーが持続可能なものでなければ相対的に「悪」と言うレッテルを貼れてしまう、そんな攻撃力があります。


GXとビジネス

GXには、攻撃力があるのだとしたら、その攻撃力をもって既存企業のシェアを奪う能力を有し得ます。


既存の企業からすると「うちは今までこれでやってきたんだ!」と言いたくもなるところですが、世界がそれを許さない。


ガソリン自動車のシェアが落ち、テスラの販売数が伸びている所などにそういう現状が見て取れると思います。



武道と安全性

昨今、SNSで危険な練習をしている動画をあげ「なんで酷いことを!うちは絶対にこんなことしません!」という投稿を見ることが増えた気がします。


私は、ここに武道のGX的な要素を思ってしまいます。


叩かれてる側は「強くなるためには必要だった」「今までもこれでやってきた」「(その世界なりの)安全の配慮はしている」と言う意見があると思われますが、やはり世界が、時代が許さない。


例えば「強くなる」などの同じ付加価値を提供するにしても、強くなった結果だけではダメで、その強くなる過程にまで配慮が必要になる。歴史と伝統を重んじがちな武道の世界においても「うちは今までこれでやってきた」では通用しない。通用したとて「共感する人だけがやれば良い」という人気投票の中で、ごっそりとパイを奪われることは目に見えています。


「かわいがり」や「根性稽古」や「◯人組手」みたいなものは、こしきゆかしき稽古法だとしても、基本的にはなりをひそめて行くのかと推察しています。



少林寺拳法の在り方

GXの攻撃力という流れの中で、武道の中でも人の奪い合いは必然です。


そして、少林寺拳法はすでに過去この手法で人を集めているように思えます。「うちはしごきはやらない」「楽しくなければ道院ではない」「半ばは自己の幸せを、半ばは他人の幸せを」というお題目のなかで、旧態依然とした殺伐とした武の在り方を否定し、そこに共鳴して門を叩いた人も多いのではないかと思います。(当時の門下生数の増加の要因がこれだけとは思いませんが)


実態として、そんなにクリーンだったのかどうかはともかく、現状安全面は非常に確保されていると思います。


自動車の例えで言えば、エネルギーは非常にクリーンなものになって久しいのかと思います。ではクリーンな自動車(少林寺拳法)に人気が集中してるのでしょうか?


あくまで同じ付加価値を提供できるのであれば、エネルギーがクリーンなものを選択するのは必然ですが、付加価値に有意な差があるとより付加価値の高いものを選ぶのもまた必然かと思います。


「少林寺拳法」と検索すると「弱い」と出てくるのはもう四半世紀も前からの話です。



まとめ


今の安全性を確保したまま強くなれるのであればそれに越したことはありませんが、それは周りの武道の皆様も当然に意識しているもので、そんなに簡単ではありません(日々の練習に乱捕を導入するぐらいなら簡単ですが)


他の付加価値を訴求するのでしょうか?


答えがあるわけではありませんが、自分のやる少林寺拳法をどのポジションに位置付け、どのように自分が取り組んでいくのか、これは時代の移り変わりと合わせながら各自理性的に、そして情熱を持って考えていっていただきたいと思います。


時代も大切です。GXでわかるように、どれだけ自分だけが良いと思ってても「その在り方はどうなんだ?」と問われてしまいますので。


結局長くなりましたが、社会の動きを見据えながら少林寺拳法をやっていきたいですよね。





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