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拳系のひとつである「五花拳」についてです。

これは少林寺拳法の花形というか、技法体系としてひとつの究極と言えるものかと考えています。


五花拳とは

五花拳の特徴はまさに「剛柔一体」です。


今まで説明してきた拳系の多くが、剛法は剛法のみで成り立ち、柔法は柔法のみで成り立っていた※のに対し、五花拳は剛法的な攻防から柔法的に制するところまでが一連の流れとなっているものです。


あと、剛法的な攻防がなくとも、閂関係と片手投関係は五花拳って感じですね。



※この説明は厳密には誤りです。例えば小手抜は柔法の代表的な技ですが、その技法体系の中に「目打ち」という剛法要素が備わっています。一方で剛法の中でも相手の重心操作を狙った攻防があればそれは柔法的要素と言えるかと思います。このように剛法と柔法は(便宜的に切り分けてはいますが)本質的にはそもそもに切り分け難いものです。




五花拳の例

閂片手投



まじかよ、例が少ない😭


本山公式だったやつを、どなたかコピーしてたのがあったので拝借。ええのかこれ?怒られたら消します。


上受投




五花拳の特徴

冒頭に述べたように「剛柔一体」が五花拳の特徴ですが、必ずしも全てがそうというわけではないので要注意です。


また、これは少しマニアックですが「五花」という名前の通り、五花拳の中でさらに五つに分類され、その分類に花の名前が付されています。


  • 紅花 上受投とか押受投とか
  • 梅花 片手投系
  • 白蘭 閂系
  • 牡丹 仏骨系
  • 桃花 天秤系
この花の名前は覚える必要はないかと思います。有段者であればなんとなく「あー、確かに系統違うよね」という感じになる分類かと思います。このうち梅花と白蘭は剛柔一体感があまりないやつですね。

なぜ花の名前が付されているのかは、私は知らないです。中国の拳技に由来してるんでしょうか?個人的に固有名詞にはあまり興味がないので、興味のある方は独自に調べてみてください。

さらに、剛法→柔法と遷移する代表的な術科である下受蹴小手投は五花拳ではなく龍華拳に分類されています。これもまた、個人的には非常に謎な所です。なんか理由があるのかな🤔


剛柔一体のこだわり

散々述べてきた通り、特徴は剛柔一体であるものの、剛柔一体ではなさそうな五花拳があったり、剛柔一体であるにも関わらず五花拳で無いものもあります。ですので「五花拳のこだわり」でなく「剛柔一体のこだわり」を記載します。

剛→柔につながるには、相手と接触を保つ必要があります。

相手もしっかりした攻撃をしてくれる人であれば、速い突き蹴りを、約束なしで仕掛けてくるはずです。その攻撃を絡め取れる仕組み、すなわち【理】がどこにあるのかを突き詰める必要があろうかと思います。

方法論①

「少林寺拳法の受けは攻撃するように行う」というのが多分伝統的に良く伝えられる話です。そこから自然な発展として「きちんと(加撃するような)受けを行えば相手は自分の想定した体勢に崩れるので、その体勢になった所を捕りにいく」という先生もいらっしゃいます。



方法論②

「相手の攻撃をいなす受け」が昨今よく取り上げられます。角度処理とか言います。少なくとも「はじく」のではなく「いなす」ので、相手と接触してる時間が生まれます。この接触してる時間に掴みに行く仕組みを入れ込もう、という先生もいらっしゃいます。


私は②の方を好みますが、そこは人それぞれ。きちんと「剛柔一体になる仕組み」をご自身の中で追求して体現してください。少なくとも「五花拳だから、相手も掴まれることわかって止まってくれるし、その手を高みに行けばOK」では無いのかと思います。そこため、非常に非常に難易度の高い拳系かと思います。(私もまだまだ出来てません)




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