松戸上本郷道院のブログへようこそ!
今回は拳系のひとつ「白蓮拳」についてです。こちらも剛法に属します。
白蓮拳とは
白蓮拳の特徴は必ず言えないといけません。「段攻防」です。
“段”は少林寺拳法では「同じ手(あるいは足)で」と言う意味を持つ用語ですので「相手の攻撃を受けたその手で、即座に反撃をする技」を集めたものです。
仁王拳は受け手と反撃の手が別々ですので、やはり仁王拳をベースとして、習得段階の高い技であると言って差し支えないのではと思います。
白蓮拳の例
燕返
半月返
白蓮拳のこだわり
通常両手があるわけですし、足で蹴り返す事も可能なのに、なぜ同じ手で反撃するのでしょうか?
ひとつには「速さ」です。「受けと同じ手で返してるから白蓮拳やで〜🤪」というわけにはいかないのです。受即攻を体現するのが白蓮拳の必須要項と考えています。
言い方を変えると、往々にして攻守には一定のリズムが生まれがちです。そのリズムの裏拍子を取るかのように、素早く反撃を入れ込むことで白蓮拳“らしさ”が生まれるものと思っています。
同じ手で反撃するふたつめの要因としては「間合」です。相手から遠く離れての段攻防は成り立たないものと思っています。突進せぇとまでは(強くは)言わないものの、相手との間合いをしっかり潰す事は白蓮拳の大切な要素と考えます。
また、白蓮拳を行おうとすると、受け手の在り方と向き合う必要が出てきます。
受けを受けとしてのみ行い、その後に攻撃としてその手を使うのでは遅すぎますし、その「用途の切り替え」の瞬間に動きに尖りが生じて相手の守りを固めます(相手を実にします)。難しいことを言いましたが、受けが完結する前に「受けながら」反撃の瞬間が必要ですし、とはいえ受けが不十分になると負けてしまいますので「十分受けつつそれでいて反撃に流れるような受け手(足捌き体捌き含む)の在り方」が求められるわけです。
うちの門下生は、特にここら辺を意識して白蓮拳に取り組んでいただきたいと思います。
白蓮拳の不思議
白蓮拳の特徴は段攻防である、とこれはどなたでも力強く言います。
が!三日月返・水月返は白蓮拳でありながら、残念ながら段攻防はありません。受け手と違う手で反撃をするのです。
えー、じゃあ白蓮拳じゃないじゃん!という声もちらほらある、と言うのが私の感覚です。
ただ、白蓮拳の“思想”のようなものを私は「相手の攻防の拍子を崩して、裏拍子を取るかのようなタイミングで反撃を入れ、制することを意図した拳系」と考えてますので、そのような意味では十分に白蓮拳であると言えるのかと考えてます。段攻防はそれを実現するための手段にすぎない。
後の先と対の先の狭間にあるのが白蓮拳ではないでしょうか。
一方で、「外受段突」や「打上段突」は段攻防が入っているのに仁王拳です。
正直これらは白蓮拳でも良い気がします。ただ「上段をしっかり守ること」を主眼として拳士に学んで欲しいのか「段攻防」を主眼として拳士に学んて間欲しいのか、どちらの要素もある中で、開祖始め当時の技術体系の編集に携わった先輩方の想いがそこにあると考えれば良いのかなと思っています。
※私の私見であり、公式の意見ではありません。
にほんブログ村