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拳系のひとつ「天王拳」についてです。
門下生向けの記事ですので、私の私見が多いのはいつも通りです。
天王拳とは
天王拳は「上段から始まる連攻撃に対する技」をまとめたものです。
上段から始まるのは上中二連とか上上二連とか上中蹴三連とかそういう速い攻撃ですね。
仁王拳が単撃だったのに比べて、天王拳は連撃ですので、そういう意味では仁王拳よりもハードルの高い所があります。
天王拳の技の名前と特徴
天王拳は名前の最後に必ず数字があります。これは地王拳も同じです。
天王拳に属する技をいくつか挙げると、
突天一・対天一・蹴天一・逆天一・混天一
突天二・振天二
突天三・蹴天三と、こんな感じです。
この数字にも意味があります。天一系・天二系・天三系などと言いますが、天一系は連受(左右の手で交互に受ける)、天二系は段受(同じ手で2回受ける)、天三系は連受と段受の調和(左右の手で連と段を用いて受ける)のが特徴と言われています。
突天一は右手で上受し、(同時受ですが)左手で下受という連受で蹴り返しますよね。
突天二は上上二連に対して左手で打上受からの打落受の段受で蹴り返します。
突天三は上中上の三連に対して上受→同時受→上受と連と段がいりまじります。
突天一をやったつもりで相手が二発目も上段を突いてきて、同時受の内受の方で段受をしたら??🤔ちょっとよくわからないですね。
天王拳の例
対天一と蹴天三
例が少ないですね😅
天王拳のこだわり
完全に私見です。
天王拳は連撃です。上段から始まる、という括りがあるとは言え、直線軌道でくるか曲線で来るかもわからないし、二発目以降は何がくるかもわからない。
攻者の後出しジャンケンで手捌きだけで受け切ろうだなんて、都合の良い虫の良い話です。
天一〜天三は連受や段受という手捌きに着目した分類で、これはこれでしっかり意識すべきですが、そもそもに手捌きだけでどうにかなると思ってはいけないと考えます。
仁王拳で学んだ足捌き→体捌き→手捌きを活用し、相手の突きの間合いギリギリに軸足を移動させて、二発目以降が自分に届くタイミングで、反撃の蹴りが当たる。その「間合いを意識した運足と、動かした足を直ちに軸足として蹴りを有効化させて蹴り返す拍子」こそが天王拳のキモと考えます。
また、天三以降、すなわち天四とかが存在しないということから、技の思想のようなものを感じ取れると思います。
人間の手足は、最大四本です。蹴りでは軸足が必要になると思えば、一気攻撃では三発まで。「そこでケリをつけろ」というメッセージを私は感じています。一瞬が勝負というわけです。
このように、技を手捌きだけで覚えようとすると無数にあり混乱しますが、技の構造(なぜ技として機能するのか)や技の構成(分類がどうか、またなぜ他の技はないのか)を考えると、理解が深まりやすく習得もしやすくなると思います。
もちろん私の意見が正しいというわけでなく、皆様各々技を研究検討して深めていければそれで良いのかなと思う次第です。
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