松戸上本郷道院のブログへようこそ!
変なタイトルですが、私が少林寺拳法をしていて思うところをつらつら述べよう、のコーナーです。音楽の専門の方もいらっしゃるので憚られますがご容赦ください。
良い武道・良い音楽
武道をしてると、殊更に生じるのが「比較論」です。あの武道はああで、この武道はこうだと。それならまだ特徴を見比べてるのでかわいいものですが、あの武道は弱いからダメ、みたいに、比較の上優劣をつけ出します。
武道の良し悪しって、なんなんでしょうか?
「好き」に勝る良さは無い
私は、それこそ音楽に学ぶべきと考えます。
音楽にも(音楽にこそ?)おそらく「格式」であるとか「正しさ」はあるんでしょう。そこをとても大切にされてる方も確実にいらっしゃると思います。その道の第一人者であればあるほど、その責務もあるのだろうと思います。
でも「とはいえ私はこの音楽が好きだな」と言われたら、正しくなかろうが格が低かろうがもうそれ以上はどうしようもない。
「正しさ」や「格式」が必ずしも人の心を掴むとは限らない。
『未就学児が口ずさむ出鱈目な歌が好き』これを頭ごなしに否定する人の言う『音楽』を私は好きになれる気はしません。
武道の場合は
武道の場合は、ここに「強さ」が介在することにより、少し問題が複雑になります。
ぶつけ合えてしまうのです。
もちろん、武道対武道は概念論であり、実際は◯◯武道を学んだAさん」対「△△武道を学んだBさん」であったり、両武道を学んだ人の比較論(この場合はもやはぶつけると言うか「その人の好みが「強さ」だった、なすぎませんが)ですが、それでも何がしか「ぶつけてみる」みたいなことができてしまう。
人の好き嫌いとは別軸の「強さ」で白黒ついてしまうような気がしてしまう。
音楽でぶつけ合うって難しいですよね。「クラシックvsケチャ」とか新しすぎてむしろ興味が湧いてきます。
コンクールと大会演武(武的要素)
※私は「四月は君の嘘」からの知識のみで書いてます。
コンクールでの音楽は「譜面通り」に演奏することが求められるようです。情熱的な演奏はむしろ減点対象になるとか。これはこれで見たい所が明確化されてるので素晴らしいです。
我が武道では、大会では技術度・表現度と別れて付点されるので、譜面通りのものも情熱的なものも両面見られます。そこにまた例の「武的要素」です。
いっそ大会演武は切り離して、奉納演武等と意味合いを変えてしまえばいいのに、と個人的には思うものの、この複雑さが大会参加者や審判を混乱させるのだと思います。
そこに点数がつく。点数もまた比較可能であるゆえに「強さ」の一つです。優劣がついてしまうので。
音楽のように、正確性にのみ優劣をつける形なら良いのですが、表現度はまさに「好み」の現れるところでもありますので。。。(正確性の優劣も、技が発散している現状においては相当に難しそうですが。)
宗教性
音楽にも宗教音楽、ゴスペルがあります。
宗教のための音楽。宗教法人所属の音楽ですね。私は若い頃からバッハの小フーガト短調が非常に好きでCDを買ってまで聴いてましたがこれもゴスペルでございます。
小フーガト短調は好きでしたが、では私がキリスト教に帰依したかというとそうでもなく、「単に好き」だったに留まります。
とはいえ、聴いていて心の洗われるような澄み渡るような気持ちは何がしか感化された部分がないとも言えないのもまた事実かと思います。
現代のジャンル分けによる宗教音楽以外にも、まさにケチャなどは部族での呪術的な儀式の一部と聞きますし、文明以前の呪術的宗教的儀式と音楽は切り離せないように思えます。
それだけ、人の心を高揚させ、一体感を抱かせるのに音楽は人の根源的なものと繋がってるのではないかと愚考します。
まぁ何が言いたいかって言うと、人の心に作用を及ぼすものは、所属や法人格によらず、少なからず宗教性じみたものあるし、それと「好き」って切り離しきれないよねってことです。
武道を好きと言うこと
話を戻しまして武道です。
特に流派を持たない我が少林寺拳法においては、いわゆる「ロック」「クラシック」「ジャズ」「ポップス」、それらの区分けもなく漠然と「音楽」と言うなのもとに演奏会をやるが如く、実は少林寺拳法内では同じ少林寺拳法でありながら所属が変われば結構違うこともあります。
もちろん「音を(で)楽しむ」という共通項があるように、少林寺拳法にも『開祖の志』があり、そこは共通項で、それ以外は「細かいこと」というわけですが。
少林寺拳法と他の武道を見比べても(見比べられても)やはり違いは色々ある。
その違いを「特徴」として捉えるのは自己理解を深める上で大切です。ですがそれをいたずらにぶつけ合って「優劣」を求める様は、少なくとも現代においてなんな生産性もないことです。
過去において、多くの武道が自流以外を誹り、それにより自流を高めようとする動きのある時代があり、我が組織もさらに大いに乗ったことは確かです。
結局のところ、好きに勝るものはない。
長く書きましたが、今回言いたいことはこの一言です。
他からやいのやいの言われたら「自分はロックが好きって言ってんのにあいつらクラシックをゴリ押ししてきよる😆」と思えばいいんです笑
音楽に例えて、自分の感性を信じるのが1番幸せです。

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