まん延防止等重点措置が3月6日まで延長され、
修練にも制約を受けるケースが増えております……。
稽古の機会が減ってしまったという人は、
この期間に「如意棒」を作ってみるというのはどうでしょう?
如意(棒)というのは、
仏門で法要の際、導師が手にする法具のひとつ。
全長30〜40センチ程度の木製で、蓮などの形を模した「孫の手」のようなものが一般的。
しかし少林寺拳法の如意棒は、
教範やカッパブックスの写真を見ても、
蔓が巻きついた、ネジネジ状の木が用いられています!
(このネジネジの溝が、刀の鍔代わりになり、相 手の武器が流れにくくなるためという説がある)
少林寺拳法は禅門の行、もともと禅僧の護身術であるため、
武器を使う技はありません。
その代わり、僧侶が携帯する如意棒、錫杖、独鈷(金剛杵)などの法器を使った技法は伝わっています。
そしてその如意棒は「法器の中で一番活用さてれる」と教範に書かれているのに、仏具屋さんに行っても「孫の手タイプ」しか売っていないし、武道具屋でも見かけない(昔、イサミで赤樫を削り出した如意棒を売っていた?)……。
というわけで、如意棒が欲しい人はDIYにトライ!
「えっ、自分で作るの?」と二の足を踏むかもしれないが、
やってみるとけっこう簡単。
唯一、手こずるとしたら、素材の原木探し。
逆にいえば、原木さえ見つかれば、如意棒作りは出来たも同然!?
如意棒づくりに適した、ちょうどいい太さ・長さのネジネジの木は、なかなか都合良くは生えていてくれません。
蔓が食い込んでいるちょうどいい木はどこに生えているのか?
いろいろ調べてみると、つる植物は林縁の植物で、垣根や林のふち、河川沿いの林のような裸地と森林の間でよく見かけるとのこと。
林縁なら森の奥深くまで潜る必要はないので、雑木林や里山などを歩いて、蔓が生えている場所を探してみましょう。
(意外に高い場所で見つけることも!)
見つかったら60センチぐらいの長さに切り出します。
教範によると、(如意棒は)「尺八寸を定寸とする」と記載されています。
尺八寸は、約54.5センチ。人により多少長短があるので、もう少し短くてもOKだが(実際は50センチぐらいが使いやすい!?)、切り出すときはやや長めに切って、あとで調整するのがおすすめ。
切り出したら、半年~1年ほど寝かして乾燥させます。
木材の強度は、含水率が低下するほど、上昇することが明らかとなっていますので……。
頑強さで知られているルイ・ヴィトンのハードケースは木製で、
含水率1%以下のポプラの木で組み立てられています!!
はやる気持ちを抑えて、木から水分が抜けるのを待ちましょう。
乾燥させたら、樹皮を剥きます。
ワタシは「粗皮削り」というツールで、剥いております。
皮が剥けたら、紙やすりなどで表面を整えましょう。
あとは亜麻仁油、クルミ油、椿油、水性工芸漆などで仕上げていく。
ワタシは蜜蝋(ビーワックス)を塗り塗りして、ナチュラルな仕上がりに。
最後に房紐を付ければ完成!!!
自然木が素材なので、一本一本個性的。
原木探しと、乾燥期間で……
という気分になってしまうかもしれませんが、
散歩しながら八方目の練習をしていると、意外に身近なところでネジネジの木が見つかることも!
ネジネジの木さえ見つかれば、もうこっちのものなので、
まん防期間に新しいことにチャレンジしてみるのもいいのでは?
本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient) 『104』