拳士レンタル中! (弟子と生徒) | 身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

身体からの悟りを目指して ~ 少林寺拳法

我孫子道院 道院長のブログ

GWに突入し、今日は青森県へ出向中の拳士が帰郷して、道院の稽古に参加してくれた

青森県も沿岸部以外は、直接の被災県ではなかったようだが、無事な姿を見ることができてホッとしたし、何よりしばしの間、道場を離れていた拳士が、何かの折に顔を出してくれるのは本当にうれしい


何かと忙しい現代人が、継続して修行を続けることがむずかしいというのは、ワタシも骨身に染みてわかっているが、部活動や学業、受験に仕事、転勤や疎開(?)などの諸事情で、定期的に稽古に通えなくなったとき、拳士にはふたつの道が用意されている


ひとつは単純に「辞める」という選択肢

もうひとつは「休眠」というスタンス


「とりあえず、今後、道場に戻ることはないだろう」と思って道場を去っていく人は、「辞めていく人」

受験などで1年間、あるいはいつになるかはわからないけど、いずれ稽古に復帰したいと思っている人は、「休眠拳士」と考えている


別の言い方をすると、前者は同じ門下生でも「生徒」であって、後者は「弟子」とも言い換えられる

それは現役拳士にもあてはまる

そして「生徒」か「弟子」かは、指導者が判断するのではなく、門下生側がそこの指導者を自分の「師」であると認めれば、その瞬間から「弟子入り」したことになり、必然的に弟子になる

一方、指導者=「単なる習い事の先生」と思っている拳士は、ずっと「生徒」のままでいる……


ちょっと話がそれてしまったが、

じつのところ、少林寺拳法の事務手続き上は、破門・除名にならない限り、どちらも「休眠」という扱いになる

なので、ワタシ自身の心の中では、後者の「休眠拳士」を、『レンタル中の拳士』と位置づけている


つまり、部活なり、会社なり、地域なりに、それぞれの拳士を貸し出しているだけで、各拳士のの本貫(ほんがん)は、あくまで道院にあると思っているわけだ

(ちなみに、現在の我孫子道院には、10人弱のレンタル中の弟子がいるが、比率は女性拳士のほうが多いかも)


少林寺拳法の本質は、あくまで「人づくりの行」なので、たとえ稽古に通えなくても、本人に拳士であるという自覚さえあれば、直心是道場、常在道場の精神で、ずっと現役でいられるはず


また武道、とくに少林寺拳法はそのまま危機管理法であると信じているし、少林寺拳法の「人づくり」とは、「どうしていいかわからない」という「想定外」の状況下で、先例がなくても正しい判断ができ、身近な人を導くことのできるリーダー作りだとワタシは理解しているので、当今のような震災時こそ、道場の内外を問わず、少林寺拳法を学んだ人の出番なはずなので、むしろ道場を離れて活躍してくれるのは、望ましいことですらある


だから、すでに被災地をはじめ、各地で復興支援に携わっている多数の拳士をはじめ、震災に直接関係ない分野、職場、学校、部活、地域、家庭で、精を出している拳士にも、エールを送って、大いに支持していきたいと思っている


とはいえ、アウトプットばかりだと、自分がガス欠になってしまうので、そうなってしまったら、ぜひ道場に戻ってきて、自己の充電=インプットをしていって欲しい


理想的な少林寺拳法の道場というのは、きっとそういうものに違いない


というわけで、レンタル中の拳士はいつでも充電に戻ってきてください

(レンタル中の拳士が道場に来て充電できているときは、いつも通ってきている拳士も、さらには指導者も同じようにインプットできているし、何より同志との再会はうれしいからね!)


本日の「身体の知能指数」 (PQ=physical quotient)『104』