福島から幼いお子さんを連れ福岡に避難されてきた、
うのさえこさんのお話を、直接お目にかかって
聞く機会がありました。
言葉を選びながら、静かに、淡々と、それでも
時々激しい思いを堪えながら話されるうのさんの
一言一言。
全てが重大なことだと思いました。
特に心に残った内容を、メモにとりました。
3月19日の長崎大の教授の「放射能は安全」説以降、
福島の人達の間に亀裂が生まれ、それがどんどん深く
なってしまったこと。
自分の耳に入る、また、未だ仕事で福島に残る家族に対し
向けられる同じ福島の人から批判が、もっとも辛く、
もっともそれに力を奪われると感じること。
不安を口にすることさえもしにくくなり、自由に議論が
できない、まるで戦時中のような息苦しさがあること。
被害者同志が対立させられている構図は、水俣の時と同じ。
震災後すぐに力になると申し出てくれたのは、水俣の方々で
あったこと。
最も望むことは、留まるも、逃げるも自分で決められ、
そのどちらを選んだとしても生活再建のための保障がなされること。
どこからどこまでは要避難区域、除染領域と、国や電力会社に、
そこに暮らしていた人達の思いとは全く関係なく、線引きされ、
住民の方の多くは、ひきさかれるような思いをしていること。
この3月10日、福島県の郡山で、「福島原発事故被害者の
いのちと尊厳を守る法制定を求めて」というシンポジウムが開かれ、
200名定員の会場に400名が詰めかける程、県民の高い関心が
示されていたけれど、ほとんどそれは報道されなかったこと。
そこで採択された福島原発事故被害者の権利宣言
*私たちは、東京電力が引き起こした福島第一原発事故の被害者です。
*この人災で奪われたものは、すべて加害者が「原状回復」を基本に完全賠償するべきです。
*私たちには、尊厳をもって幸福な生活をする権利があります。
*私たちには安全な地で暮らす権利があります。
*私たちには福島にとどまる、離れる等の選択を尊重され、生活を保障される権利があります。
*私たちには危険を回避するために必要なあらゆる情報へのアクセスを保障される権利があります。
*私たちには、被ばくによる健康障害を最小限にするための、保養・疎開を含めた防護策と健康障害の早期発見および適切な治療を保障される権利があります。
*私たちは、自分や家族、コミュニティーの将来に重大な影響を与える決定過程に参加する権利があります。
私たちはこれ以上奪われない、失わない。
・・・これを被災者自らが宣言しないといけないのが、
今の状況。
私も、私の家族も、友達も、福岡で、福井で、
もしかしたら、明日大きな地震が起きたら、
多分同じ。
知識として知り、心で感じて初めて「分かった」と思える。
原発事故は、人権を奪った。
うのさえこさんの本
「目を凝らしましょう。見えない放射能に」
クレヨンハウス・ブックレット 525円
ナチュ村さんで買えます。
小川恵美子