感染や経済危機のニュースを聞くたび、今、困難の真っただ中にいる人は、どんなに大変だろうと思うのですが、ただ、ニュースを聞くだけの自分でも、自覚できない程、少しずつ心の負荷を受け続けているような気がします。
あなたはどうですか?
生活の制約もあって、いろんな不自由を感じ、ストレスを感じているかもしれませんね。
寂しさ、悲しみ、怒り、不安、疲れ。
自分でも気付かないほど少しずつ溜まっていくと、対処しなきゃとも思わず、どう対処したらいいのかを考えないまま、爆発して初めて気付くということがあるかもしれません。
目の前の困難に理由や出口が見えないと、誰か、何かを激しく責めたくなります。
身体を動かしてみる、笑う、日常のリズムを保つ…知恵や工夫を取り入れて、それぞれ自分を助けていると思いますが、分かっているんだけど、できない時もありますよね。
イライラや不安を感じて、なかなかそれが収まらない、SNSばかり見てしまう、眠れない、食べ方や量が変わってどうも身体の調子がよくない…とか。自分は困ってないけど、もしかしたら、周りに気になる人がいるかもしれません。
私の場合、そういう時に、他の人はそれなりにうまく対処しているのに、自分だけができていないという、いらない「オマケの感情」までついてきます。そのオマケ、不安を感じた自分が勝手に作り出す、オマケの妄想不安です。
寂しい、悲しい、腹が立つ、出口が見えない。どう解消したらいいか分からずもんもんとする…
今は、そう感じるのが普通、そう感じて当然な時だと思います。
生き物の特性、脳や神経系の作りとして、私たちは、周りの人の感情を感じ取って、影響を受けるようにできています。他者の感情を察知し危険があればすぐ生き残るための行動がとれるように、集団や社会の中で育ってきた能力です。これだけ世界が凄まじいペースで変わり大勢の人が不安や悲しみや怒りの体験をし、それがメディアやSNSで絶えず報じられ、浴び続けている中で、自分ひとりだけ平静さを保つことは、生物学的、脳科学的、心理学的に見て、とっても難しいことです。
すごく、すごく、意識して、心がけていないとできないこと、簡単で当たり前のことではありません。
簡単に、いきいきニコニコはつらつとできない自分も
いつでも人にやさしくできるわけではない自分も
責めずにいましょう。
実は、無理にそうしないことが、自分のその時の気持ちによりそった、自分に合った正しい方法かもしれません。
もし、何かすごく小さなことでも、自分を助けることを思いついたり、やってみたりした自分がいたら、拍手。
もし、そのきっかけがあったとしたら、きっかけをくれた偶然の何かに、誰かに、ありがとうと、つぶやいてみる。
負の感情に乗っ取られそうになる時は、そこからです。
「自分に拍手」、「感謝できるもの探し」、上の二つをすると、ふっと呼吸が楽になるような、肩や胸のあたりが、ゆるんだり、あたたかくなるような身体の感覚を感じます。
不思議なもので、身体の中の変化が感じられると、気持ちに影響します。
身体がゆるんだり、あたたかくなったりすると、そのことで、ほっとする気持ちがまた一段進んで、落ち着いてきます。
身体と心は、ばらばらのものではなく連携し合っているんですね。
私は、寝る前とか、今やるといいかなと思った時にやっているのですが、たった数分やるだけで、やる前と後の、自分の身体の感じが違っているのに、驚きます。
「できた自分」だけを認めるのではなく、「しようとしている自分」を認めること。
これは、ある美術の先生が教えてくださったことをヒントにしています。
…子どもの力が伸びるのはね、取り組もうとしている「気持ち」や、その子がやろうとしている「こと」や「工夫」に気付いてもらえたときだよ。成果だけを取り上げて評価したり、「うまいね~」と漠然と伝えられるより、自分がやっている工夫や努力の事実を、具体的に、認められることが効くんだ…
フィリピンで、子ども達のライフスキルを伸ばすのは何かを調べる支援+研究の事業で、教えてもらいました。
心が揺れて、「やばい、どうしよ!」となった時、そこから回復する力、大丈夫だと感じられる状態を取り戻す力が働けば、続いて起こるかもしれない問題を回避できます。
脳神経の電気信号は、使えば使うほど早く伝わり、信号が通る神経回路を太くし、生まれつきそうだったように自然に機能してくれるようになるそうなので、繰り返し練習すれば、力は伸びます。
いろんなことが次々と起こり、半年前には想像もしていなかった毎日になっていますね。
揺れる心を眺めつつ、揺れながら、それでも落ち着いて対処する自分を作れるように、自分を助ける自分を、作っていきましょう。
参考
・神経生理学に基づいたレジリエンス・トレーニング
コミュニティ・レジリエンシー・モデル(コレモ)
・ポジティブ心理学の挑戦 -幸福から持続的幸福へ マーティン・セリグマン著
Flourish A Visionary New Understanding of Happiness and Well-being 2014
Martin F.,P. Seligman, PhD
・「おえかき」から学力を伸ばす ~フィリピン貧困地域カシグラハン調査報告:第2回~ 奥村高明教授
学び!と美術 <Vol.53> 2017.01.10