この数年で、トラウマインフォームドケアを、わかりやすい言葉で伝えてくれる資料がどんどん増えてきましたが、その中でも、これは何度でも読み返したいなと思うような資料に出会えたので、紹介します。

 

トラウマインフォームドケアをもっと知るために-TICガイダンスー

 

 

このガイダンスが掲載されているのは、トラウマレンズ-こころのケガに配慮するケアというタイトルのWebサイトです。

 

ガイドや動画もいいなと思ったので、ぜひ見ていただけたらと思いますが、実は、私が心惹かれたのは、「このホームページを訪れて下さった皆様へ」という最初の挨拶のことばでした。

 

ちょっと抜粋しますね。

 

「トラウマインフォームドケアは、トラウマ体験を聞きだそうとするものではなく、トラウマ体験があると分かっている人にだけ特別なケアを提供しようとするものでもありません。すべての人にトラウマ体験の影響があるかもしれないということを念頭に置いてケアを行おうとする考え方です。つかみにくくて、語られにくい、でもとても多くの人が経験しているものだから、みんながトラウマ体験を持っていることを前提にして考えてみよう、ということです。

 

「「トラウマのメガネをかける」ことは、私たちのこころの健康を守り育むうえで、そして居心地の良い組織やコミュニティを作るうえで、とても大切なことではないかと私たちは考えています。

このホームページの動画やリンクを活用していただいた方々が、「トラウマのメガネを少しかけやすくなった」と感じていただけたら、そして私たちと一緒にトラウマインフォームドケアについて学びを深めていく仲間が増えたら、とても嬉しく思います。」
 

知るほどに、説明が難しいと悩んでしまうトラウマ事なのですが、こんな風に、分かりやすい言葉で、やさしく包み込まれるように説明されると、ちょっと感動してしまいます。

 

これらを作成されたのは、この研究事業のチームの皆様です。

これから折に触れ、参照させていただきたいと思います。感謝感謝。

 

厚生労働科学研究費補助金(障害者政策総合研究事業)
「精神保健医療福祉施設におけるトラウマ(心的外傷)への対応の実態把握と指針開発のための研究」
研究代表者:西大輔先生(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野)