TV取材のカメラに向かって、Kobe Beefを食べてご満悦の外国人旅行者の姿を何度か見ましたが、
外国人には、霜降りの和牛肉は、見たことのない部類に属する未知のグルメだったといいます。
その模様は、おそらく、現代アートか、美的なデザインのように見えていたのかもしれないのです。
霜降り肉は、和牛オリジナル。
外国の肉は赤身か、刺しが入っていたとしてもほんのわずかで、
初めて見る赤と白のお肉のまだら模様は、ワーォ! としかいいようがないものだったのかも…
想像してみてください。
牛肉とはこういうものと思っていた人が、
これが日本の牛肉だと見せられたら、
なにやら人工物めいたものでは、と疑ってしまっても不思議ではありません。
しかも、
見た目のインパクトだけでなく、食べてみてビックリ!
いい香りがして、やわらかくて、しかも口の中で溶けてしまう…
それまで慣れ親しんでいた既存の牛肉、喰いちっぎって食べるシロモノとは、別物です。
ちなみに、和牛を焼いたときにでる甘い香りは、「和牛香」といって、
クラトンという成分が含まれているからということです。
(*NHK『漫画家イエナガの複雑社会を超定義』より)
口の中で溶けてしまう、そのキーワードは“脂肪融点”。
“脂肪融点”は、肉の脂身が溶け始める温度で、
低いほどなめらかな食感になるそうです。
外国産の牛肉では 40℃
国産和牛 27℃
神戸牛などのブランド牛 17℃
一目瞭然です。
体温より低いんだから、口の中で溶けないわけがない。
最近の研究によると、脂身の脂肪にはオレイン酸が多く含まれ、
これが焼いたときの独特な芳醇な香りを生み、
味わったことのない未知の食感とともに、外国人の胃袋を鷲づかみにしたと、番組ではいっています。
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