ケーブルネット296に、「女子旅 ちば銘酒探訪」という番組があります。
芸人のバービーと女子アナ2人で、県内の酒蔵を訪ね歩く番組です。
2人は、1879年創業の木戸泉酒造を訪ねました。
驚いたのは、
サリチル酸の箱が、おいてあります。
サリチル酸。
ウィキペディアで見ると、
”1879年から飲食物の防腐剤として、1903年以降は酒の防腐剤として用いられていた。”
”1969年に食品添加物としての使用が全面禁止となった。”
とあります。
今は使っていないのですから、
別に置いておかなくてもいいようなものですが、
木戸泉酒造の現社長の先々代、つまりおじいちゃんが、
“自分たちのお酒には、余分なものを使わない。添加物、農薬、化学肥料などを使わないで、劣化しない日本酒を造る”
という思いで開発に努め、
ついに「高温山廃一段仕込み」にたどりついた記念に置いてあるということだそうです。
『ビオ ワイン』と同じ発想で、
同じ思いの人は、洋の東西を問わず、いるものです。
「山廃仕込み」は、下の図のように造られます。
「高温山廃一段仕込み」というのは、
酛(もと)造り、または酒母(しゅぼ)ともいいますが、
これから日本酒を造ってしまうという、いままでにない新しい方法です。
上の図の、
3の蒸す、から、
6の醪(もろみ)造りまでを、1度に行います。
日本酒は三段仕込みで作りますが、1度で造るので、「一段仕込み」になります。
蔵内を見せてもらうと、蒸米のための釜が2つ並んでいます。
片方で酒米を蒸し、もう一つの釜ではお湯を沸かし、
蒸しながら米にお湯をかけていくのだそうです。
酒母を造るときは、
蒸米+麴菌+冷水ですが、
「高温山廃仕込み」では、冷水ではなく、55℃くらいのお湯を使うとのことです。
これによって、雑菌を除くことができ、
長期保存が出るようになりました。
木戸泉酒造は、「高温山廃仕込み」ができるようになった1971年から、
古酒造りにも力を入れています。