2012、B-1グランプリ優勝の八戸せんべい汁。
八戸市を中心とした青森県南部と、岩手県北部で昔(たぶん200年前くらい)から食べられていたんだそうですが、堅焼きの南部せんべいを入れる現在の形になったのは、明治30年代ではないかといわれています。
もち論、ご当地グルメに明確な記録など残っていないでしょうから、推論になるのは致し方ありません。
昭和30年ごろ、煮込んでも溶けにくい「おつゆせんべい」が登場。
40年代には全国的に郷土料理ブーム(今風に言えば、もちろんB級グルメブーム)が起こったんだそうで、それに乗って各家庭にも定着していったようです。
今では県内の他の地域から他県まで広がりつつあるようで、通販 で手に入りやすくなっていますから、全国で食べられているんでしょう。
2007年には、「いちご煮」とともに、農林水産省主催農山漁村の郷土料理百選にも選ばれたそうで、ご当地グルメとして、広く認知されているわけです。
(そんなものがあったとは、知らなかった…)
地元では、汁に入れるばかりでなく、2枚のせんべいに赤飯を挟んだ「赤飯サンド」や、てんぷら など、いろいろな食べ方で楽しまれているそうです。
せんべいの周りの部分、金属加工している人たちがバリと呼んでいる、焼くときにはみ出した奴、これを「みみ」というんだそうで、人によっては「みみ」付きのほうを好むそうです。
実はこのせんべいの「みみ」には思い出がありまして、
福島では、南部せんべいと同じものを「麦せんべい」と呼んでいたんですが、「みみ」は売り物にならないので、切り落としていました。
それを集めて袋に入れ、安く売っていたんですが、、子供のころ、今と同じように貧乏だったので、よく買って食べました。
(懐かしィ~なぁ。)
半焼けのものもあって、それがモチモチしていて、なんとも言えない食感で大好きだったんですが、せんべいを汁に溶かすということは、そうか、あの感覚だったのか、と妙に納得してしまいました。