サービス

先月会社の後輩が日本に来てくれた。日本で寂しい思いをしている先輩のために来てくれたと思って嬉しかった。ところが、後輩に会ったとたん頼まれたのは去年銀座で購入したジャケットのクレームだった。筋肉トレーニングで鍛え、がっしりした体の後輩だったから、文句も言えずに銀座に向かった。

ところが、私の日本語は下手だし、後輩がジャケットを買ったのは1年以上すぎてた。どうやらいい返事をもらえる見込みはなさそうで心配になったけど、日本に来て犯罪以外は出来る限り色んなことを経験したかったので、いいチャンスだと思った。何より、日本のサービスは韓国とどういうふうに違うのか気になっていたからだ。

私達の相手は身長190cm以上もある頑固そうに見える店長だった。思ったとおり、買ってから一年が過ぎた場合は返品や交換は不可能だと終始一貫言い通す彼には勝つ方法はなかった。しかし、4年間お客様からの数え切れないほど様々なクレームを経験してきた私もこのまま手ぶらで戻りたくなかった。何と言っても何の理由もなく色が変わったことは納得できなかった。

結局、問題のジャケットを本社に送って変色の原因を詳しく説明してもらうことになった。長かった一時間の間に下手な日本語で苦労はしたけど、マニュアル通りにしか動いてくれない店長にはお手上げだった。でも彼の態度は店を出るまで最初と変わらず丁寧だった。私から彼についていちゃもんをつけられるところはちっともなかった。完璧な対応だった。

サービスって言うのは基本的によ過ぎても悪過ぎてもそれぞれ問題になる。全てのクレームが正しいとは言えないけど、大切じゃないクレームは一つもない。あの店長の客に対する対応ぶりは確かに勉強になった。

そうしてから二週間後、店長から電話があって、例外としてジャケットの値段の70%を払い戻してもらうことになった。

夏の思い出

私は夏バテもしないし、冬より夏が好きだ。韓国では家にエアコンがなくても扇風機さえあれば大丈夫だった。こんな私なのに日本に来て夏にはお手上げだった。日本の夏の空気はじめじめしていて、すぐ汗がだらだらと流れるし、強い夏の日差しで何度も日焼けしてしまった。でも、夏は厳しいけど、夏をもっと楽しめる方法を見つけた。

いつしか行きつけになった鉄板焼き屋が主催したバーベキューはおよそ30人の常連さんが参加した、割と大きいイベントだった。天気が暑ければ暑いほど冷たいビールはさらに美味しくなったし、酔えば酔うほど楽しくなった。店から直接持ってきた鉄板で自分が焼いた焼きそばや焼肉の味も最高だった。これは確かに、夏の喜びだった。

夏を過ごす方法は色々あるけど、夏の厳しさを受け止めてそのまま楽しむことがバーベキューだと思った。そしてそこで会った人々は夏の厳しさをそのまま受け入れたように、人をそのまま認めて受け入れる力を持っていた。

この夏はものすごく厳しかったけど、夏あってのバーベキューやビアガーデンや花火大会のおかげで本当に楽しかった。