余命を聞く
可笑しいよねー。
私が泣いたって、
美しくも可愛くもないのに。
石田ゆり子や鈴木京香、森口瑤子や吉瀬美智子だったら、
絵になったのだろうか…
今なら余命を聞かされたって
涙ひとつ見せず
…今まで、ありがとうございました
緩和に移らせて頂きます…
なんて
至極冷静に言えてしまいそうだ。
その日は
悪い予感しかしなかったから
付き添いの娘を待合室で待たせて
ひとり、診察室へ入る。
「悪くなってしまったので、もう今までの薬は使えません」
ファーストラインの治験が終了した事を
医師から告げられた。
その後も、医師は何か言っていたが
殆ど覚えていない。
私は泣きながら言った…
「あと、どのくらい生きられるのでしょうか?…」
そう。まるで、ベタな昭和のテレビドラマかのように…
医師
「そんなこと聞いて、どうするんですか…」
…
(ん?答えない?ならば…)
「1年は生きられますか?…」
医師
「1年は生きられますよ、1年ちょっとかな…」
私は泣いてはいるものの内心、
意外と冷静だった。
何なんだろうね笑
女優かよ…
その時、思ったのは
あと1年も生きられる
だった。
普通の人なら、1年しか…。と思うのだろうけど。
まあ、相当タチの悪い癌だし、
薬も効かないし、年内、生きていられるかどうかも
自信がなかったんだよね…
あれから1年どころか、2年半
生きている。
人生、最後までどう転ぶかなんて
分からないよね…