モータースポーツほどお金がかかるスポーツはない。モータースポーツには常に莫大なお金が付きまとう。そういう意味ではモータースポーツは純粋なスポーツといえるのでしょうか?僕はF1をはじめ、モータースポーツが大好きですが、この点に関しては微妙です。
たとえば、お金持ちの家庭に生まれるほどレーシングドライバーになりやすいでしょう。アイルトンセナの家庭はブラジルでも有数のお金持ちでした。シューマッハの両親はカートコースを運営していました。もちろん中にはお金持ちでないのにかかわらずレーシングドライバーになった人はいます。しかしやはりお金持ちのドライバーが多いのが実状です。なぜお金がいるのか?お金はどこに消えていくのか?僕はレーシングカートをやっているのですが、いつもこのことで頭を抱えています。サーキットを1日走るだけで7000円かかります。ほかにも、サーキットまでの交通費、ガソリン代など予想以上にお金がかかります。また、最初レースをはじめるときにかかる費用、つまりランニングコスト(カートの車体自体のお金など)も馬鹿になりません。レーシングドライバーになりたいという子供がいても、その子の両親が「うちにはそんなお金がない」といったらその時点でその子の夢は途絶えてしまうでしょう。(ちなみに今日のF1ドライバーのほとんどが幼少期からレーシングカートをやっています。)そこには少し悲しい現実があります。
また、レーシングチームもお金がないと速い車を作れません。それは現在のF1を見ればわかります。上位を独占しているチーム、フェラーリ、ルノー、ウイリアムズBMW、BARホンダ、マクラーレンメルセデスなどはすべて大手自動車企業がバックについています。一方、資金難にあえいでいるミナルディやジョーダンなどはいつも最下位争いをしています。こういう現状にも少し疑問が残ります。
というように、なんかモータースポーツの批判をしてしまったように見えますが、やっぱり僕はモータースポーツが好きです。F1にせよ、実際に走っているのはドライバー一人ですが、そのマシンには多くの人々の夢を乗せて走っています。お金がかかるというのも見方を変えれば、それだけ多くの人々が関わっているというのも事実です。でもやはりお金の問題はモータースポーツ永遠のテーマでしょう。