7月から9月にかけて、上から下まであれだけ日本に対して対決姿勢
を鮮明にしていた韓国が、なぜここへ来て歩み寄ってきているのか。
一見不思議な話だ。
11月23日にGSOMIAが失効になるが、米国政権の猛烈な反発を
受けて、さすがにこれはマズいと文政権が判断しているのだろう、
だから、日本に機嫌を直してもらい、ホワイト国除外を撤回してもらう
代わりにGSOMIA継続を認めるストーリにしたい、という事なのだろう、
そう判断する人が多かろう。
つまりは、「米国への配慮」から下げたくもない頭を日本に対して
下げ始めているのだ」と。メディア各社もそう取れる論調が多い。
甘い。全然分析ができてない。そもそも米政権の反応はGSOMIA
廃棄を言い出す前から十二分に分かっていた。文政権はGSOMIA
の価値など本音のところでは認めていない。北が攻めてくるような事
は100%ないと確信しているし、むしろ、米軍にも早いところ出て行って
欲しいのだ(保守派を怒らせ国内対立を先鋭化したくないのであくま
でも徐々に後退してくれるのが望ましい)
今回の韓国の態度の変化は米国への配慮あっての事ではない。実は
日本の輸出規制が韓国をのっぴきならないところまで追い込みつつある
のだ、というのが本当のところ。
とても単純なことだが、疑問に思わないだろうか。ホワイト国除外と
言っても、きちんと使用計画、在庫、使用実績を出せば経産省は輸出
を止めることはできないのである。そんなことをすればそれこそ即刻WTO
違反である。中国のレアアース輸出禁止と同じだ。
ホワイト国でない国の方がむしろ多数であり、ホワイト国ではない
どこの国も何の問題もなくやっている。なぜ、ホワイト国復帰にそこまで
こだわるのか。「ホワイト国除外でプライドが傷ついた」とか言うが、そんな
小学生みたいな理由は関係ない。もっと裏がある。
ホワイト国であるとどんなメリットがあるのか。つまり、韓国は今後も
ホワイト国の地位を守ることによって、日本側にチェックされる事無く
半導体3品目を輸入し続ける(または、再輸出する)ことがどうしても
必要だと判断しているという事である。
どういう背景があるのか。
答えは、サムスンやSKハイニクスの巨額な半導体関連の中国投資にある。
あまり報道されていないが、これまで韓国の各社が半導体素材3品目を
横流しをしていた先は中国の自社投資先だったのである。
今、日本が中国向けにこれら3品目を輸出することは禁止されていないが、
おそらく米中の対立激化が進む中で日本メーカーがこれら品目を中国向け
に輸出できなくなる時期が遠からず来る。そうなるとサムスンやSKハイニクス
にとっては大打撃である。工場がストップすることもあり得るだろう。
そうならないように、フリーハンドで韓国からの再輸出が可能となる「ホワイト国」
の地位を確保しておくことが韓国にとって死活的に重要なのである。
輸出規制の問題は韓国にとって大した影響なかった、とか報道がちらほら
出ているが、目くらましのためのものである。上述した構造を見逃すべき
ではない。
では、日本はどのように対処すべきか。
正しい方策は、今の日本政府が行っているとおりである。つまり、
①徴用工問題については国際法違反の状態を正せ、②それができたからと
言って輸出規制は全くの別問題だから緩めることはしない、③GSOMIAは
(本音ではどっちでも良いのだが、米国の利害に反することは言えないので)
破棄決定を撤回すべきだ、と。
個人的には、文政権と国民がもう少し暴走を続けてくれた方が楽しめるのだが。