田中真紀子が昔、
世の中には三種類の人間しかいない。
家族か敵か使用人か。
そう言ったと聞いて、
彼女らしいと思ったものだけど。
苦手なママ友が。
一緒に帰ろうと約束したわけでもないのに、
(一緒に約束して学校に来たわけでもないのに)
係の仕事をしている私のところに寄ってきて。
〇〇ちゃん、私、帰るね〜
なんでわざわざ私に言いに来るのだろう。
ちょっとびっくりしたが、
どうぞ先帰って〜と言うしかない。
私が仕事を教えていたママが、
申し訳なさそうに、すみませんー、と言うから、
あ、全然気にしないで。
と言ったら、
そのママ友の耳に入ってしまったらしく。
〇〇ちゃん、ひどぉい。
甘えるようなねっとりするような甘納豆のような声で言われて。
やだ、なに。
彼女のなかで、私って学校から一緒に帰るくらいのママ友なの?
そんな女が恋人に対してやるように、
身体をくねらせるのやめてよ。
私の中では子どもの友人の母親。
それ以上でもそれ以下でもない。
何でこんなにねばついた好意を遠慮なく出してきて、こっちを困惑させるのか。
他の人に言われたら、
帰っちゃうのー、さみし〜
そう笑えることも、彼女相手には引き攣る。
私に依存しないで。
狂ったように1人で喋らないで。
今までだって嫌いな人間はいたけれど。
自分に好意を向けてくれる人間を苦手になったことはない。
はじめての感情に戸惑っている。