たいていの育児書はあいまいである 

 

前回も書いたように

 

幼いときの息子は、際限がありませんでした。

甘やかせば、際限なく甘えてくる。

許せば、際限なく許しを求めてくる。


たまらず叱れば、猛烈にすねたり、

いじけたり、ひどいときには、手が出てくる。

えげつない言葉がポンポン出てくる。
 

どこまで甘やかせばいいの?
どこまで許せばいいの?

どこまで応えればいいの?
どこでストップを掛ければいいの?

 

こんな悩みに具体的に応えてくれる育児書なんて、皆無でした。

 

 

初めて出会った 聖域に踏み込んだ育児書 

 

でも、行動分析学と臨床心理の専門家が著したこの本は

子どものずるい部分への対応も、

書いていると感じました。

 

『世界に一つだけの子育ての教科書 子育ての失敗を100%取り戻す方法』(ダイヤモンド社・奥田健次著)です。

 

 

 

まず、第1章から「子どもの暴力・暴言・物壊しに、絶対これはやってはいけない」です。

多くの育児書って、ここを聖域にしていますからね。

つまり、触れたがらない。

「子どもの気持ちを尊重しましょう」とか、ぼかす。

 

 

「この本は違う!」と思って、何度も何度も読み返しました。

 

でもね、自分で、やっぱり全部やり切るのは難しい。

いちいち本を見ながら子育てできない。

 

というわけで、一部だけでもやるようにしました。

 

その一つがイネイブリングを止めること(イネイブリング・ストップ)です。

 

 

イネイブリングとは 

 

イネイブリングとは、

ある行動ができるような状況を作ってしまうこと」です。

 

例えば、こどもが、家でお酒を飲みすぎて注意されたことにキレて、

グラスを床に叩き落としたとします。

それを、親が翌朝までに片付けたり、二日酔いで起きられない本人に代わって会社に休みの連絡を入れたりする。

 

親のこんな行為がイネイブリングです。

 

それは、「なんとかしてあげたい」という相手への思いやりだったり、

自分がなんとかしなければという責任感、

世間体を守りたいという思いからきていて、

それが良くないものだとは気づいていないことが多いもの。

 

でも、子どもにとっては、お酒を飲んでキレても、

掃除をしなくてもいい、会社に電話しなくてもいい、自分が何の責任も取らなくていい、

つまり何の損もせず、

むしろ得をした、と感じる。

 

子どもの、この「お酒を飲んでキレてもいい」

という行為は、残念ながら強化されます。

 

 

イネイブリング・ストップで息子の不登校を止められた? 

 

実は、息子は小学校のときに、

いじめられている時期がありました。

 

学校は、楽しいものではなかったようです。

 

中学校も、いじめはなかったものの、休みたいと思うことが

しばしばあったようです。

 

休むかどうかでもめる朝もありました。

 

ただ、休んだときは、好きなゲームやネットは一切させませんでした。

「学校を休んだら、思い切りゲームやネットができる」という状況を作ってしまわないように。

 

「(いじめなどで学校に行くのが嫌な気持ちもわかる。)

でも、嫌なところにがんばっていくことをやり遂げたときに、

その子の大好きなものや活動を限定的に与える」

 

本書に書いてあった、このイネイブリング・ストップは、

本を読んだ、息子当時小4か小5のときから実践するようにしたんです。

 

息子は、学校は休みたい、でも、休んだら好きなこと(ゲームやネットとか)はできない、どうしようか。

と何度も葛藤したはずです。

 

その度に、たいていは学校に行くことを自分で選び(自分で選ばせることがキモです!)

そのうち楽しいことも見つけたようでした。

(小学校の担任の先生に、いじめのことを話して、

クラス替えで配慮してもらったりしたこともあります。先生、学校に恵まれました)

 

もし、学校を休んでもゲームやネットができる環境があれば、

息子は不登校になっていたかもしれません。

 

 

余談ですが、
「でも、いじめがストレスになって、体調不良を訴えたら、休ませたほうがいいんでしょ?」

「そのときは、休むのは子どものせいじゃないからゲームをさせてもいいの?」

と思う方も多いかもしれません。。

 

そのときの対応も本書では書いています。

簡単に言えば、「体調不良やストレスの訴えに対して丁寧にケアすることは、NG!」と言い切っています。

 

とにかく、これまで読んだ育児書とは、180度、違う、と思いました。

 

NG行為が『「こどもを殺して〜』を連想させる 

 

今になって、本書を読み返すと、


本書で「やってはいけない!」としている行動が、コミック『「子供を殺してください」と言う親たち』に出てくる親たちの行動と、
かぶっているな〜と感じました。

偶然ではないでしょう。

 


このコミックについて書いた記事はこちら↓

 

 

 

そう、私だって、他人事ではない。

いつ自分ごとになるかわからない。

 

 

悔やまれること 

 

ただ、あらためて読み返すと、自己流になってるところ、

「やってはいけない!」をしっかりやっちまっているところが

いっぱいあります。

 

 

 

例えば、私は、いたるところで、結果的に息子を罰やルールでしばっています。

報酬で、コントロールしようとしています。

少なくとも、息子にはそう見えるようです。

 

本書では、ざっくり言えば「守ればラッキーなことが起こる」みたいなやり方を勧めて、

厳格なルール決めはNGにしています。

 

さて、どこまで、どうやって緩めていくのか、

思案のしどころです。

 

 

子育てはまだもうちょっと続きそう。。。

 

 

今からでも奥田健次さんのセミナーやカウンセリング受けたいな。