辻堂に佇む小田急顔 ~今後の運命やいかに~ | 蒼きこだまのシルエット

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4月も半ば、いかがお過ごしでしょうか。…まあ言わずもがな、ですね。
おかげさまでご覧のありさまです。Twitterは控えめになっています。それもそのはず、仮拠点の鎌倉から一歩も出ないという形で社会人生活がスタートしておりまして、少々キツい現状が続いております。
その関係でバタついていたのですが、今日になって一段落。そこで、昨年4月を最後に更新が止まり、ネタがストックされていた保存車両記事をこの機に再開させることといたしました。引き続きお楽しみいただけますと幸いです。
今回は表題からわかるかと思いますが、地元の車両について綴ろうと思います。2019年3月24日に訪れました。

辻堂駅から徒歩20分のところにある辻堂海浜公園。子どもが交通ルールや自転車の乗り方を学びながら遊べる、交通公園があります。空中散歩を楽しめるスカイサイクルも特徴です。
私も幼い頃、親に連れて行ってもらいました。

その一角に佇んでいるのがこちら。
 
小田急2600形、クハ2658です。
各駅停車の8両化による編成組替で1994年に廃車となったもので、老朽化の激しかった2200形デハ2218に代わって、辻堂海浜公園に保存・展示されました。

先代に続いて「わっくわっく号」と命名され、このような説明書きも設置されています。経年劣化がだいぶ激しくなっていますね。

傷んでいるのは看板だけではありません。

車体の腐食もだいぶ進んでいます。一度修繕もされたそうですが、度重なる塩害には勝てないのでしょう。

妻面を見ると、貫通路を塞いでいる板が特に酷いですね…。

2600形と言えば、この独特な顔。2012年に旧5000形が引退するまで営業線上でも見られた「小田急顔」です。一般公開されているのはこのクハ2658のみで、この塗色も貴重です。
とはいえ、前面も錆が目立っており、少々残念。行先方向幕は抜き取られてしまったのでしょうか。ちなみに種別幕の「快速」は多摩線用に用意されたものの、実際には使用されなかったという幻のものです。

車内にも入れます。こちらは運転台。
かつて通学で5000形に乗っていたので、この運転台もどこか懐かしいです。

客室内はこんな感じ。一部は後に余剰となったものに差し替えられているとうかがっていますが、5000形の廃車か、8000形のリニューアルで発生したものでしょうか。

ホームも整備されています。中2つの扉は常時〆切。
なお、扉のステッカーは小田急で現用されているものに交換されています。

親子連れで賑わう交通公園ですが、このようにクハ2658も利用者に親しまれているようで、少し安心です。
余談ですが、敷地内には交通展示館もあり、子どもにとって充実した展示内容だったのを覚えています。
現在は利用が停止されています。ご注意ください。

しかし、これだけ無惨な姿になっているとは思いませんでした…。小田急が保存車両を整理していたのがちょうどこの時期、一度お色直しの動きを見せたデハ2202(後に解体)が後継と言われたこともありました。他にも1000形ワイドドア車が適任という声も上がるなど、噂は絶えませんでしたね。
そのような背景から、閉扉作業をしていたスタッフにうかがったのですが、「内々では交換・なくす等の話は上がってなく、しばらくはこの状態」とのこと。予想していた回答ではありましたが、検討には入っていない模様です。

とはいえ、この状況だと先が長くないと思っておいた方がいいのではないでしょうか。
青空の下で小田急顔が拝めるうちに、その目に、シャッターに焼き付けておきましょう。
(もちろん今はこのような情勢なので、落ち着いてからにはなりますが…。)

それでは、今回はこのへんで…。