城達也さんが声の世界に入ったときに苦労されたひとつに「」がありました。
「コンプレックスは感じなかったものの、生まれ育った韓国での訛、引き上げ後の九州の訛は、ラジオ放送という発音、アクセントに厳しい分野で仕事するにはハンディになっていた。なかなか番組にも使ってくれなかった。」とあります。

今でも、地方出身者の方が声や演劇の世界を目指して上京したときに、多かれ少なかれ「共通語」(個人的には‘標準語,という言葉に抵抗があります)という「放送の基準」の壁を乗り越えねばならないのでしょうか。

タレントでしたら方言や訛はむしろ持ち味だったりしますが、CMなどのナレーションや声優としては、この共通語を自分のものにしなくては仕事にならない・・・。

私は東京生まれなので訛に苦労したことはありませんが、アクセントや発音に死に物狂いで取り組んでこそ、プロの一段を上っていく証になるんでしょうね。

もちろん他にももっと色々な技術を身につけなくてはならず、プロは険しい道のりです。そこには地方出身者や都内出身者など関係ありません。


城さんはそのハンディを克服する為に恥も外聞もなく先輩・友人に聞いて回り、メモしては繰り返し練習する日々が続きました。

「自分は喋るのが商売で、それで生活しているんだという意識が常にある。したがって、妙な喋り方はしたくない、してはいけない・・・」

言わば城さんのこのハンディが「言葉をなるべく正確に綺麗に発音しようという姿勢を」早くから城さんの中に形作ったんです。