昨年度絶賛したキャラクターデュアスロン。
通称キャラスロン。
キャラクターデュアスロン2025 アウトサイドの世界から行く末を見つめる | 人に備わった力 理解の範疇を超えてゆけ。
今年はどんなドラマが生まれるのか。
どんな新しい趣向や発展が見られるのか。
そんな期待を胸に会場へ足を運んだ。
エントリー数は昨年の約2倍。
そして昨年は0人だった女子選手が今年は複数人参加していた。
選手同士の会話からもたびたび聞こえてきたが、昨年の大会の反響を受け自分も出てみたいと思った人がほとんど。
選手たちが楽しそうにレースをこなし、思い出を共有している姿を見て安心した。
キャラスロンはキャラクターになりきって走るイベントだ。
そこで意識してほしいのが衣装の色使い。
個人的に感じたのは黒や白の面積が多い衣装は目立ちにくいということ。
特に黒を基調とした衣装は周囲の景色になじみやすく、意外かもしれないが白も目立ちにくい。
一方アニメのキャラクターによく見られるような、鮮やかで発色のよい色は目を引きやすい。
例えば、赤、水色、黄色、ピンク、黄緑など。
もし好きなキャラクターが黒を基調としているなら、赤などの鮮やかな色を使った大きめの装飾品を取り入れてみるがいいと思う。
もう一つ気になったのが選手同士の言葉遣い。
仲間内での応援であっても、罵倒するような言葉を使う場面が目についた。
本人たちにとっては親しい間柄だからこそ成立する仲間同士のノリなのかもしれない。
しかしキャラスロンは身内だけで集まるイベントではない。
周囲にいる一般の来場者や事情を知らない人がそのやり取りを聞けば、不快に感じる。
というか不快感を感じた。
キャラクターが好きだからこそ、その姿を借りて参加しているはず。
それなのに周囲に不快感を与えるような言動をしてしまえば、キャラクターに対してもマイナスな印象を与えかねない。
キャラクターを演じることと周囲への配慮を忘れることは全く別の話。
せっかく好きなキャラクターになりきって参加するのなら、衣装や見た目だけでなく言動も含めてそのキャラクターの魅力を伝えられる参加者であってほしいと思う。
というのが、表向きの感想だ。
ここからは、本音で感想を述べていきたい。
大会全体の評価は、
100点満点中・・・
5点。
なぜその点数なのか。
①女子選手が増えたのに
昨年は0人だった女子選手が今年は4人に増えた。
しかし表彰部門はすべて男女混合。
具体的には
・総合:3枠
・初出場総合:3枠
・ファステストバイク:1枠
・ファステストラン:1枠
・オーディエンス賞(会場投票):3枠

これだけの表彰枠がありながら、女性選手が表彰対象になったのはオーディエンス賞の1枠だけだった。
またかと思った。
いわゆる女性選手の置いてきぼり問題である。
9割の自転車競技者に関係のない話 | 人に備わった力 理解の範疇を超えてゆけ。
ゲストライダーを除き女子選手のエントリーが複数あったのなら、女性選手だけの表彰の仕組みを検討するのが一般的。
もちろん男女別の表彰を設ければすべて解決するわけではない。
それでも参加者が変化したのなら、それに合わせて表彰制度を見直す余地はあったはず。
参加者の変化に応じて制度を柔軟に見直す姿勢が運営側には足りなかったように思う。
②クラスの選択肢が少なすぎる
キャラスロンにはクラスの細分化がない。
そのため男子選手を基準とした距離設定に女子選手も挑戦することになる。
もちろん同じ距離に挑戦したい選手もいるだろう。
それ自体を否定するつもりはない。
しかし、全員が同じ距離を走ることだけが参加のあり方とは思えない。
去年こんなことを言っていた。
これは業界特有のズレた考えだと思う。
最期まで力を使い果たすことが楽しさに繋がるわけではない。
むしろ参加のハードルを著しく上げ、次回以降の参加をためらわせてしまう可能性のほうが大きいのではないだろうか。
運動習慣のある男性を基準に考えてしまうからこそ、女性選手や初心者との間にギャップが生まれる。
だからこそショートの初心者クラスを設けるべきだと思う。
これは女性選手に限った話ではない。
フルの距離を走り切るのは厳しそうだけれど、短い距離なら挑戦してみたいと思う男性選手も一定数いるのではないだろうか。
初心者向けの選択肢があれば、参加への圧倒的なまでの心理的なハードルを下げられる。
さらにショートクラスのエントリー費を抑えられれば、高額な参加費を理由にエントリーを断念していた層の参加も期待できる。
つまり単に競技の難易度を分けるだけではなく、参加できる人を増やすことにもつながるはずだ。
またキャラスロンにはコスプレをして参加する特性上、ウィッグを着用して走る選手が多くいる。
今回のような炎天下では、本人が気づかないうちに無理をしてしまう可能性もある。
レース中に問題がなくても、帰路や帰宅後に熱中症の症状が現れることも考えられる。
もちろんショートクラスを設けるだけで熱中症を防げるわけではない。
それでも走行時間や身体への負担を抑えられる選択肢を用意することは、安全対策の一つになり得るのではないか。
③海外選手の参加
今回は海外の選手がエントリーしたことが事前に告知されていた。
どんな選手なのか。
どんな経緯で参加したのか。
気になっていた人は私を含め多かったのではないだろうか。
しかし当日の紹介はわずか10秒ほど。
その後特段のフォローはなかった。
マジかと思った。
以前、国際大会にしていきたいという話を聞いていただけに、圧倒的な虚無を感じた。
せっかく海外から選手が参加してくれたのなら、もう少し紹介の時間を設けてもよかったのではないか。
例えば参加のきっかけやキャラスロンの印象を紹介したり、千葉テレビのインタビューを勧めたり。
仮にその選手が日本在住だったとしても、海外にルーツを持つ選手の参加をきっかけに、世界との接点を広げることはできたのではないだろうか。
④競技性に振り切った表彰設計
先ほど挙げた表彰枠のうち、タイムに関するものは8枠。
さらに特別企画として鬼から逃げた選手に副賞が贈られる企画もあった。
これも実質的にはタイムや走力、いわゆる縦軸評価のひとつだ。
こうした内容を見て、今年のキャラスロンはかなり競技性に振り切った大会だったという印象を受けた。
もちろん競技性を重視すること自体が悪いわけではない。
タイムを縮めたい。
順位を上げたい。
そうした目標を持って参加する選手がいることも理解できる。
ただ参加者の多くが本当にそれを望んでいるのだろうか。
コスプレを楽しむこと。
好きなキャラクターになりきって走ること。
普段は競技に参加しない人が挑戦すること。
初対面の選手同士で交流し、思い出を作ること。
そうした魅力がこの大会の根幹なのではないだろうか。
私の推しの選手はメイクの技術を磨き肌のケアを積み重ねて参加していた。
さらにレース中とレース後で衣装を変えるなど、よりクオリティの高いコスプレを目指す創意工夫も見て取れた。
コスプレのクオリティを高めるための努力と、タイムを縮めるための努力。
その二つに、どれほどの違いがあるのだろうか。
それぞれの努力をそれぞれに合った形で評価する仕組みが必要なのではないかと思う。
なんのためのコスプレクラスなのだろうか。
コスプレそのものに注がれた努力や工夫を汲み取れないようでは、世界を目指すという目標も夢のまた夢のように思えてしまう。
⑤選手と一般来場者の導線
例年よりエントリー数が増えたことで、表彰エリア付近では選手と横断する人がぶつかりそうになったり、実際に接触したりしている場面を何度か見かけた。
参加者が増えたことで、それまで問題にならなかった場所でも混雑や接触のリスクが高まる。
なので渡り階段の設置なども検討したほうがいいのでないか。
もちろんコスト面の心配はあるが、スタッフを雇うより渡り階段を設置する方が選手と来場者が安全に移動できる環境になると思った。
人の流れを妨げられ足を止めざるを得なかった選手の姿を見て、本当に気の毒に感じた。
⑥強くなる内輪感
今回、特に気になったのが大会全体に漂う内輪感だ。
運営と親しい人。
そうでない人。
その境目が以前よりもはっきりしてきたように感じた。
もちろん、運営と参加者の間に交流が生まれること自体は悪いことではない。
継続して参加してくれる人との関係が深まるのは自然なことだと思う。
一方で新しく参加した人や運営との接点が少ない人が入り込みにくい雰囲気を感じた。
内輪で盛り上がることが中心になってしまえば、参加者の顔ぶれも楽しみ方も固定化し、そこから先の広がりが生まれにくくなる。
分かりやすい例で言えば、キャラエンとキャラヒルである。
新規参加者が増えず常連の参加者だけになれば、いずれ参加者の広がりは頭打ちになり先細りしていく。
新たな女子選手も参加するようになったのだから、もっと多くの人が参加しやすい大会へと発展させてほしい。
★なぜ、評価は5点なのか
評価を0点にはしなかった。
大会を終えた選手たちが無事にレースを走り切り、写真撮影の場で笑顔を見せていたから。
本当にそこだけ。
選手たちが楽しそうに過ごし、仲間と一緒に思い出を作っている姿。
それはキャラスロンというイベントが持つ魅力だと思う。
だからこそ運営にはその魅力をもっと生かしてほしかった。
私が運営する立場なら、実際に走った選手たちにアンケートを取る。
なぜエントリーしようと思ったのか。
距離は適切だったのか。
参加費をどう感じたのか。
表彰制度に満足しているのか。
どんな企画があれば、もっと楽しめるのか。
そうした声を集め、分析し、次回に反映させていく。
もちろん選手の希望をすべて実現することは不可能。
それでも参加者の層や時代の流れによって、求められるものは変化していく。
だからこそ定期的に参加者の声に耳を傾け、ニーズをつかんでいくことが重要だと思う。
参加者がそれぞれの楽しみ方で参加できる大会になってほしいし、そこを汲み取ってあげられる運営であってほしい。
そんなイベントだった。























