この記事は、おそらく多くの自転車競技者には関係のない話である。
男性選手にはほとんど関係がないし、女性選手であっても気にならない人はいると思う。
だからこそ読んで欲しい。
先日、朝日峠ヒルクライム大会の要項を見ていたところ、金のガマ 銀のガマ 銅のガマという認定制度が設けられていた。
これは富士ヒルを模した順位だけではなく、一定のタイムを達成した選手を評価する仕組みで、非常に良い取り組みだと思った。
しかし、その認定タイムは男子を基準にした男女共通。
ヒルクライム競技だけでなくスポーツにおいて男女で差が生じることは当たり前。
年代別表彰は男女別になっているにもかかわらず、認定制度だけが共通基準になっていることに強い違和感を感じた。
そこで運営に問い合わせをした。

朝日峠ヒルクライム大会 事務局 御中
大会の様子を楽しく見させていただきました。
富士ヒルクライムのような「金のガマ」「銀のガマ」「銅のガマ」という認定制度は、順位だけでなく自分なりの目標を持って挑戦できる面白い企画だと思います。
そこで一点気になったことがあります。
表彰は男女別になっていますが、ガマ認定のタイム設定は男性を基準とした男女共通になってしまっているように見受けられました。
スポーツ競技では男女でタイム差が生じることが一般的ですので、女性版の金・銀・銅のガマの基準があれば、順位とは別に達成感やモチベーションにつながるように感じました。
すでに検討済みでしたら申し訳ありません。
今後の大会運営の参考になればと思い、ご連絡させていただきました。
今後の発展を祈ってます。
運営からの返信

この返信を見て、最初は前向きな印象を受けた。
しかし時間が経つにつれ、一つの疑問が残った。
この大会では、認定のガマは後日発送されていた。
さらに運営の返信によれば、私以外にも同様の意見が寄せられていたとのこと。
それなら、今年参加した女性選手のリザルトを基に女性基準を設定し、反映後に発送することは検討しなかったのだろうか?
もちろん運営上の事情はある程度理解しているつもりだ。
なので確認の意味も込めて追加で質問を送った。

朝日峠ヒルクライム大会 事務局 御中
ご丁寧なご返信をいただき、ありがとうございました。
また、女性向けの認定基準について前向きにご検討いただけるとのこと、大変嬉しく思います。
一点だけ気になったことがあり、ご連絡させていただきました。
ご返信の中で「同様のご意見を頂いております」とありましたが、もしそうした意見が寄せられていた場合、今年参加された女子選手のリザルトを基に、認定基準を見直したあと、後日ガマの発送を検討はされなかったのでしょうか。
もちろん運営上のご事情や準備スケジュールもあると思いますので、簡単なことではないとは思います。
ただ、私自身は来年以降の制度改善もさることながら、今回参加された女子選手の皆さんにフォローがあってもいいのかなと思いました。
今回の判断に至った経緯やお考えがありましたら、お聞かせいただけますと幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
しかし、一週間以上経過した現在も返信はない。
(後日、「今回に関しては変更無とさせて頂きます」と返信あり)
実はこのような出来事は今回が初めてではない。
以前、富士ヒルクライムでも似たような問い合わせをしたことがある。
男子選手には完走タイム別のフィニッシャーリングが用意されている一方、女子選手は女子専用リングのみ。(翌年以降は男子選手と同じ基準のフィニッシャーリング)
また、今年話題になったSUB55企画も男子基準。

富士ヒルクライム大会 事務局 御中
突然のご連絡失礼いたします。
毎年開催されている Mt.富士ヒルクライム大会を、参加者・観戦者の一人として楽しみにしています。
まず、今年の「SUB55」企画や、過去大会における完走タイムに応じたフィニッシャーリングの取り組みについて、参加者の挑戦意欲を高める素晴らしい企画だと思います。
その一方で、女子選手に対する扱いについて、少し気になる点があり、ご連絡差し上げました。
SUB55企画は男子選手の基準タイムのみが示されており、女子選手については挑戦目標としての指標が用意されていないように見受けられます。また、過去大会のフィニッシャーリングにおいても、男子は完走タイム別に段階が設けられていた一方で、女子は完走リングのみであったと記憶しております。
男女で身体的条件に差がある競技において、同一基準のみを設けることは、結果として女子選手の努力や達成度が可視化されにくい制度設計になってしまっているのではないでしょうか。
女子選手にも、女子としての最速目標タイムの設定が用意されることで、より多くの参加者が目標を持って挑戦でき、大会全体の価値や成熟度もさらに高まるのではないかと思います。
素晴らしい大会だからこそ、今後の発展の一助としてご検討いただけましたら幸いです。
お忙しいところ長文失礼いたしました。
何卒よろしくお願いいたします。
こちらも返信はなし。
正直またかと思った。
なぜ女性選手の目標や達成は、いつも後から考えられるか。
女子カテゴリーは存在し、女子表彰も存在する。
しかし目標タイムや認定制度になると、男子基準が作られるだけで、女子はその基準の延長として扱われる。
女子選手の対応については無視され議論にすらならない。
仮にもし認定制度に重大な見落としがあり、多くの男子選手が本来受け取れるはずの認定を受け取れなかったとしたらどうだろうか。
おそらく運営は、来年ではなく今年の対象者にどう対応するかをまず考えるのではないだろうか。
もちろんこれは証明できる話ではないが、これまでの対応を見て、参加者数が少なく声も上がりにくい女子選手だからこそ後回しになったように感じた。
これまで安全面や制度設計について提案をしてきたが、正直に言えばこの業界が大きく変わるとは思えない。
なぜなら、この問題は9割の自転車競技者にとって関係のない話だからだ。
男子選手には見えない問題。
女子選手でなければ気付きにくい問題。
主催者も選手もそれが問題だと認識していないから。
だから議論にもなりにくい。
だから変わりにくい。
もし、この記事を読んだ9割の関係ない人が、女性選手の目標や評価について少しでも考えるきっかけになったなら、それだけでこの記事を書いた意味はあったのかもしれない。






















