バイクランド土浦に行ってきた。
かなりの遠出であったが、前回のバイクランド幕張で色々言わせてもらった手前、見届けないわけにはいかなかった。
前回記事⇒大人も子供も楽しめる冬の文化祭「バイクランド幕張2025」アウトサイドレポート | 人に備わった力 理解の範疇を超えてゆけ。

結論から言ってしまえば、今回のバイクランドは頭一つ抜けたと感じた。
その最たる例が、オウルクラスで新設された「ベストドレッサー賞」である。

前回のバイクランド幕張ではなかったこの要素。
これが入っただけで、表彰式の空気が明らかに変わった。
ただ速いだけではない。
どう魅せるか。
どう伝えるか。
「会場を沸かせた選手」
「万人に分かりやすく受けた選手」
この審査基準が単純明快で非常に良い。
これがあることで、選手側が参加の姿勢に狙いを持てる。
ここが大きな変化だったと思う。
前回、評価制度についてを提言し、それを今回しっかり形にしたバイクランド運営。

このスピード感と柔軟さには、正直かなり驚かされた。
もう一つ印象的だったのが、オウルクラスの選手たち。
特定の選手が上手い棒ピットなるものを作って、観戦者を巻き込んでいたこと。



そしてその流れに乗った多くの選手がピットに入り、上手い棒を通じて観戦者と交流していた。
これが本当に良かった。
ただ見るだけじゃない。
どのイベントでも、同じ会場にいるのに参加選手と観戦者の距離は遠いもの。
しかし、この上手い棒ピットで観戦者も「参加者」の一人になることでその場に入れる。
この少しの体験があるかどうかで、イベントの価値は変わってくる。
見ていた人が、次は参加側に回る。
そのきっかけが、しっかり用意されていた。
有志で実行するフットワークの軽さに感心するし、それを受け入れる運営にも感服した。
今回の会場では、参加選手と観戦者の距離感はかなり物理的・心理的に近かったと思う。
また、今回新設されたベストドレッサー賞だが、これには無限大の楽しみ方が詰まっていると思う。
今回のように「万人に伝わる」が基準なら、分かりやすさやインパクトが重視される。
では、別の大会でも同じベストドレッサー賞の表彰がスタンダートになったらどうなるだろうか。
ある大会では「コスプレの完成度」が審査基準になるかもしれない。
別の大会では「斬新さ」や「トレンド」が審査の基準になるかもしれない。
基準が変われば、選手のアプローチも変わる。
同じコスプレクラスでも、全く違う楽しみ方になる。
コスプレクラスという多様な楽しみ方をする参加者のいる部門で、「速さ」という一点のみだけが評価されてきた現状が覆されたのだ。
速さだけではない。
魅せ方だけでもない。
速さも魅せ方もその両方を評価されるバイクランドへ。
今回のバイクランド土浦は期待以上のイベントに成っていた。

蛇足
今回のイベントについては、正直もう言うことはない。
それほど完成度が高く、会場に行って得るものが多かった。
ただ、自転車業界全体については考えさせられる部分もあった。
運営と有志の参加者によって、参加者・観戦者の満足度を高める仕組みが出来た。
問題はその先、新規層の誘致である。
自転車イベントは、使える会場が年々減っている。
その結果、人の多い街中から離れた場所での開催が増えている。
そうなると、まだ見ぬ新規参加者へのアプローチが難しくなる。
それ故に、既存参加者のリピートに依存し、参加者数は横ばい、あるいは減少傾向になってしまう。
施策として
・SNSでの情報発信の強化(仕組みづくりを含む)
・影響力のある人を招き、新たな層へのアプローチを行う
・自転車に関係のない人が集まる場所で開催し、認知を広げる
が考えられる。
最近、よく考えてしまう。
もっと早く、コスプレクラスの課題を提起できていればよかった、と。
かつて「弱ペダブーム」と呼ばれる時代があった。
未経験者や女性選手が多く参加し、コスプレクラスは大きく賑わっていた。
しかしその当時、評価は「着順」のみ。
コスプレそのものが評価されることはなかった。
私はそれを間近で見ていながら、疑問を持たずに流していた。
流行が去ると、趣味をシビアな考えで取捨選択をする女性達にとって、自転車やレースは捨てるに足るものだと判断された。
もしもあの時、評価の軸を増やす重要性を伝えられていたら・・・。
離脱を少しでも防げたのではないか。
現在のコスプレクラスの参加者が、多角的に評価される仕組みを作れたのではないか。
当時の自分の無知さや、人の感情への鈍さ。
正直後悔している。
それでも今回のバイクランドは、その後悔を吹き飛ばすほどの素晴らしい可能性を見せてくれた。
それが堪らなく嬉しかったのである。

📷ヘタクロさん
HP⇒BIKELAND 土浦 - バイクランド土浦