しょむ研 泡沫ブログ(しょむ系政治勢力研究会ブログ版)

しょむ研 泡沫ブログ(しょむ系政治勢力研究会ブログ版)

http://www.youtube.com/@shomuken 各種選挙のしょむ系候補(諸派・無所属のミニ政党・泡沫候補・インディーズ候補)観察,共産趣味(極左・市民派観察),極右・カルト宗教観察,評論・ルポ・ノンフィクション系同人誌製作,動画配信等. shomuken@ymail.ne.jp

 玄米等の健康食や、マラソン等、色んな物にハマってきた小説家の妻。其んな妻が、今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出した。最初は冗談かと思ったが、妻は本気。其処で、夫である小説家も妻の選挙戦を応援する事になり…。

 

 「妻と選挙」は、「我が家のヒミツ」に収録されている選挙小説。N木賞作家だが、時代が過ぎて最近は仕事が振るわない作家の悲哀と、当初誰からも相手にされない選挙活動に勤しむ妻が重なる。然し夫の応援演説から爆発的に拡散、終盤は怒涛の展開。夫が不器用乍らも応援演説の原稿を用意して、街頭に立つ姿は見もの。読後感は爽やか。

 

 「小説家の妻」(出演:佐藤仁美、岸谷五朗)のタイトルでドラマにもなっている。

 

 

 

 

 明治大学出身の倉橋の処女作で、学生運動にまつわる短編集。表題にもなってる「パルタイ」とはドイツ語で「政党」の意味で、作中では当時明大で猛威を振るっていた革命的労働者協会革労協(革労協、解放派)ではなく、日本共産党を暗喩している。其して、共産党に対しあからさまに激しい嫌悪・憎悪の感情をぶつける。然し、どちらかというと反共・反左翼というよりは、反組織・反団体で「群れたくない、孤独でありたい」という姿勢に読めた。

 

 斜に構えた孤高の願望を剥き出しにして悦に入る様は、ライトノヴェルではないがどうも厨二病臭さを感じた。

 

 

 

 

 17歳の主人公は、常に性的欲求を拗らせていた。或る日、「新東宝」と呼ばれる同級生から、右翼のサクラをやる様に誘われて…。

 

 17歳の右翼活動家・山口二矢が引き起こした浅沼稲次郎刺殺事件をモデルとした作品。主人公が事件を起こした動機が思想的な物というより、専ら性的快楽を得る事を目的とした物だと描写した事から、発表当時は右翼勢力から抗議が殺到した。続編の「政治少年死す」は、2018年迄単行本化されなかった。尚、「新東宝」とはポルノ映画配給会社の1つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 関わった選挙は12戦全勝を誇る敏腕ウグイス嬢、寿暁子。彼女を雇ったのは、とある市議選に出馬表明した冴えない中年男、岡本多喜男。彼は選挙事務所も無くスタッフもおらず、選挙カーはボロボロの軽自動車。おまけに選挙ポスターは白黒10円コピーと、どう見ても泡沫候補だった。暁子は「絶対勝てない…」と頭を抱える中、多喜男は行き当たりばったり乍らも彼なりに選挙戦を進めていく。果たして結果は…。

 

 「ON THE WAY COMEDY 道草」に収録。行き当たりばったりの泡沫候補・多喜男と、彼にブンブン振り回される暁子が見もの。終盤はホロリとさせられる展開も。

 

 ラジオドラマ版もあり、其方は暁子役が濱田マリとなっている。濱田がヴォーカルを務めたバンド・モダンチョキチョキズの曲が効果的に使われている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 或る日、首相と息子の人格が入れ替わってしまう。混乱を避ける為、周囲には秘密の儘で過ごす事になるが、息子は学力不足な上に政治に全く興味が無い為、国会答弁や記者会見等で苦労する。一方で首相は息子の振りをして就職活動に臨むが、不採用を連発して苦労する事になる。

 

 小説のドラマ化。権力欲塗れの首相と、学力不足のバカ息子。2人の人格が入れ替わっての大騒動。社会風刺は勿論、人情噺やホームドラマ、其してヲタクホイホイな小ネタてんこ盛りで大爆笑必至。

 

 原作はドラマと設定に違いがあり、息子はドラマでは女子力男子だが、原作ではヤンキーである。

 

 続編として、小説に「民王 シベリアの陰謀」、TVドラマに「民王R」(出演:遠藤憲一、大橋和也、あの)がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある山村で、産廃処理業者が処理場の建設を決めてしまう。自然が壊されてしまうと村民は反対し、建設差し止めの裁判を起こすと決意する。其処で弁護士を探すが、業者側の顧問弁護士が辣腕として有名な弁護士と知ると、誰も引き受けてくれなかった。窮地に追い込まれた役場職員の青年は、弁護士役を演じた事がある俳優に弁護士の代わりを頼む。俳優は乗り気ではなかったが、村民は勇気付けられ、法廷内外で業者と闘争を始める事となる。

 

 住民運動をテーマとした作品。負け確定に見える戦いに挑む村民の姿に、胸が熱くなる。声優の山寺宏一が顔出し出演している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある市の市長が、温泉街で死体となって発見された。醤油屋を営む市議会議員は、市長の行動を不審に思い、市長の死の謎を解明すべく調査に乗り出す。

 

 社会派推理小説の大家による小説。ドロドロの愛憎劇が繰り広げられる。ドラマ版(出演:反町隆史、木村多江、イッセー尾形)もある。かなり古い時代の小説なので、ドラマ版は現代に合う設定に手直しされている。