東京の大学を卒業するも、就活に失敗してフリーターをしていた主人公。やっと見つけた就職先は、とある県の山奥で行われる村長選の候補の秘書見習い兼雑用係だった…。
情けない性格乍らも、未亡人の村長候補を当選させるべく様々な女性達と関係しながら奮闘する主人公が健気。其して最後は意外な大どんでん返し。
玄米等の健康食や、マラソン等、色んな物にハマってきた小説家の妻。其んな妻が、今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出した。最初は冗談かと思ったが、妻は本気。其処で、夫である小説家も妻の選挙戦を応援する事になり…。
「妻と選挙」は、「我が家のヒミツ」に収録されている選挙小説。N木賞作家だが、時代が過ぎて最近は仕事が振るわない作家の悲哀と、当初誰からも相手にされない選挙活動に勤しむ妻が重なる。然し夫の応援演説から爆発的に拡散、終盤は怒涛の展開。夫が不器用乍らも応援演説の原稿を用意して、街頭に立つ姿は見もの。読後感は爽やか。
「小説家の妻」(出演:佐藤仁美、岸谷五朗)のタイトルでドラマにもなっている。
関わった選挙は12戦全勝を誇る敏腕ウグイス嬢、寿暁子。彼女を雇ったのは、とある市議選に出馬表明した冴えない中年男、岡本多喜男。彼は選挙事務所も無くスタッフもおらず、選挙カーはボロボロの軽自動車。おまけに選挙ポスターは白黒10円コピーと、どう見ても泡沫候補だった。暁子は「絶対勝てない…」と頭を抱える中、多喜男は行き当たりばったり乍らも彼なりに選挙戦を進めていく。果たして結果は…。
「ON THE WAY COMEDY 道草」に収録。行き当たりばったりの泡沫候補・多喜男と、彼にブンブン振り回される暁子が見もの。終盤はホロリとさせられる展開も。
ラジオドラマ版もあり、其方は暁子役が濱田マリとなっている。濱田がヴォーカルを務めたバンド・モダンチョキチョキズの曲が効果的に使われている。
或る日、首相と息子の人格が入れ替わってしまう。混乱を避ける為、周囲には秘密の儘で過ごす事になるが、息子は学力不足な上に政治に全く興味が無い為、国会答弁や記者会見等で苦労する。一方で首相は息子の振りをして就職活動に臨むが、不採用を連発して苦労する事になる。
小説のドラマ化。権力欲塗れの首相と、学力不足のバカ息子。2人の人格が入れ替わっての大騒動。社会風刺は勿論、人情噺やホームドラマ、其してヲタクホイホイな小ネタてんこ盛りで大爆笑必至。
原作はドラマと設定に違いがあり、息子はドラマでは女子力男子だが、原作ではヤンキーである。
続編として、小説に「民王 シベリアの陰謀」、TVドラマに「民王R」(出演:遠藤憲一、大橋和也、あの)がある。