三月三日、上巳の節供。「節句」と書く人が多いけれども、やはり伝統文化を伝えている身にとっては、「節供」と表現するほうが、しっくりくるものがあります。
毎年まいとし、この時期に蛤を食べては縮緬でくるみ続け、「もう十分かな」という数が集まりました。これからは、もう少しサザエを集めたいので、そちらを頑張ります。
以前は、訪ねてくる人がいる度、「一人二個ノルマね」と蛤のお吸物を食べてもらっていましたけれども、サザエはどうしようかな・・・・・・。
蛤も、産地によって、大きさがだいぶ異なります。
スーパーで手に入る、近場の千葉産に比べて、桑名から取り寄せた蛤の大きさは、びっくりしちゃうほど大きくて、食べごたえがありました。その大きさの蛤から出る旨みと香も驚くほどでした
きっとこのサイズのものが、貝合わせに用いられたのだろうなーと容易に想像できました。
昨日開催した会食倶楽部では、上巳の節供を前提としたお献立をお願いいたしました。初のお弁当箱スタイルも献立内に盛り込んで。
長年お世話になっている大志満高輪店からのご厚意で、食前酒を白酒に見立てた濁り酒で。
それも、ご配慮いただいて、縁起の良い青海波のお盃にて。私がお部屋の準備をしている時に、調理長がご挨拶にいらしてくださり、ちょうど「流し雛」のセッティングを床の間にしていたので、合わせてくださったのかもしれません。ありがたいです。
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会食倶楽部 は、食礼 咲 が開催しているフレンチ、日本料理、両方のテーブルマナークラスを受講くださった方が、どなたでもご入会になれる、教養を身に着けるためのクラスです。
日本料理のテーブルマナークラスでお世話になっている大志満高輪店にて定期的に開催しており、お料理を味わい愛でながら、時期にあわせたテーマ(主に年中行事)をベースに、学びを深めていただいています。
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こちらが、床の間にしつらえさせていただいた「流し雛」の様子。繰り返し繰り返し行ってきた中で、床の間の空間にあわせた量感が出せるようになったなと、またいい感じに女の子の行事らしい華やかさが自然と出るようになったなと、大満足。自画自賛。
女の子の行事は、やはりウキウキするもので、楽しく、いくらでも時間をかけ続けられます。夢中になりすぎて、会員の皆様をお迎えする時間間際になってしまうほど
両親が、「きっとクラスで重宝するだろう」と、昨年の秋、山形へ出かけた際、酒田市にある小松屋 さんまで出向き、予約をしてくれた「お雛菓子」。クラス直前に到着するよう、手配をしてくれました。ありがたいです。
「まさに雛ね!」と
素晴らしい出来栄えと、お手間のかかったつくり、そして梱包に深く感動しました。
小さな(雛)縁起物が沢山詰められ、一つひとつ丁寧にくるまれていて、改めて「くるむ(包む)」ということの精神性についても考えるきっかけにもなりました。
「さすがだな」と感じたのは、どれも二個ずつ詰められているのに対して、太陽は一つ これは当然。
「全てが無事に到着することはお約束できませんが、それでも宜しければ」という確認が事前にあり、全てが二個ずつだっただけに、一層「太陽は一つ」、それも当たり前に予備が用意されるわけではなく、さらりと一つに、際立って考えさせられるものがあって、深く納得するものがありました。
「太」「陽」「一」この三つの文字で、色々考え思いが巡るもの。当日ご参加くださった会員の皆様にも、その感動を細かい解説をしながら、共有いたしました。太陽は一つ。
本日三月三日、上巳の節供の当日も引き続き自宅で楽しむ。これは毎年のこと。
盛りだくさんで盛るのも華やかでよく、シンプルに盛るのもこれまた良いものです。女の子の行事は本当に楽しい。
あとは大好きな宝来屋 さんの雛あられをじっくり味わいながら過ごします。