絶滅したカセットデッキ
消滅した国産スピーカー
細々と命脈を保つのみのレコードプレイヤー(最近、一部で復興している様子)
しかし
カセットテープやLP盤は消えてしまったけど
FMは今でも電波が飛んでいるわけで
受信するチューナーは現在も販売されています。
が
そこには最新の技術はなく
音質にコストをかけた製品もほぼありません。
中身は10年も20年も昔のまま変わってないでしょう。
70年代後半から90年にかけて
FMの一大ブームが沸き起こり
様々な技術が開発され
独特なデザインが生み出され
数多存在した国内メーカーからは多くの製品がラインナップされました。
チューニングダイヤルを回して周波数を同調させるアナログ式チューナーが
全盛期を迎えていた時代です。
その中心にいたのが TRIO(KENWOOD)
独自技術で他社の一歩先を行き
車メーカーで言えばエンジンで頂点を極めたホンダのような存在。
物量と技術の粋をつぎ込んだL-02Tは30万円という超ド級価格!
大卒給料の三か月分とか!
憧れましたが到底手の届かぬ存在。
なんで
中級機の KT-990 という製品を愛用していました。
しかし故障に見舞われ
新しい機種に買い替えを検討。
その頃にはアナログ式チューナーは一部高級機を除き
シンセサイザー式に取って代わられておりましたが
チューニングにダイヤルを採用した
SONYの最上機種
(といっても5万円台。チューナーとしてはこれでも高級機)
を購入。
まぁプリセット式だし、リモコン操作が主でしたから
ダイヤルはデザインの一部でしかなかったですが。
しばらくして
何かをきっかけで
過去の名機と謡われたアナログチューナーを無性に入手したくなり
数年前に前述 L-02Tの前身である
L-01T という製品
もちろん中古の品ですが
劣化部品を交換し、各部位の調整もされ
筐体の状態も上々の品を見つけ
6万5000円で購入。
40年も前の製品ですが
この機種以前のTRIOチューナーがいかにも「THIS IS TUNER」な外観だったのに対し
まったく新しい斬新なデザインで登場したL-01T。
発売時16万円というチューナーとしては驚く値付けにもかかわらず
結構売れたみたいでオークションでもチョコチョコ見かけます。
中古市場でも人気の品。
漆黒のパネルに浮かび上がるオレンジ照明が抜群に美しい―――
聞き比べて見れば
最新技術を投入されていたはずのSONYより
各段に音質が良いのです。
アコースティックの楽器の生々しさ。
人の声のリアル感とか微かに漏れる息継ぎの再現とか別物でした。
チューナーはある地点を頂点に質が落ちていったオーディオ機器です。
これは一生ものとなるのは当然ですが
その頃のチューナーには心ときめく逸品がまだまだあります。
YAMAHAが1978年に発売した 「T-2」 もそれ。
価格はこちらも13万円という
当時としてはド級の値付け。
やはりソコソコ売れたようで
ヤフオクにも定期的に出品されてきます。
YAMAHAらしくセンスの良い高級感溢れるデザイン。
欲しい・・・
しかし・・・
ジャンク品が多いんです!
通電は確認されたものの受信可能か不明・・
ノークレームノーリターン厳守!
さらに傷や汚れの目立つ品も多い。
L-02Tも前面のアクリルパネルに傷があったりして
入手した製品のような美品は少ないのですが。
こまめにチェックしていたら画像で見る限り
おお・・これは という
状態の良い品が出品されました。
が
やはり「通電OK・受信不明」のジャンク品
どうしようか・・
うーん・・・
イチカバチカ入札しちゃうか!
受信しなくても照明関係に問題はないようだし
ならインテリアとしてラックに収めてもいいんじゃなーい?
という酔っぱらっていたかのようなノリで
出品スタートが9750円の所に
10000円入れときました!しょぼっ
みんな大好きT-2
ジャンクとは言え
スキルのある人なら直しちゃうだろうし
部品取りにも利用できる。
1万じゃ無理だろうなと思ってました。
落札しちゃった・・・
はい 届きました。
梱包が厳重過ぎて底が見えない・・
こんなプチプチ初めて見たよ。
品物を掘り出し
持ってみる。
重い・・・
こんなに薄いのに・・
YAMAHAデザインここにあり
抜群にカッコいい!
こまかい傷は見られますが
40年以上経過した品としては非常に良い状態では
傷のある事の多いチューニングダイヤルも綺麗。
唯一目立つのがこの天板の引っ掻き傷ですが
ラックに収めてしまえば見えない。
背面の端子類が気になるが
さすがにくすんでいるけど
深刻な錆は浮いてないし
何れ磨いて本来の状態に近づけたい。
さて
通電はOKとの事でしたが・・・
POWER~~ポチッ
わーおっ!!
ああ感動・・
10000円の投資が報われた・・・
・・て、いやいや!
やはり音が聞きたいよ。
ラックに収めてアンテナケーブルを接続しました。
再び POWER~~ON!
ああ
オーディオ製品の高級感演出させたら
やはりYAMAHAのセンスは卓越している。
でも ちょっと待て。
三つ並んだメーター表示窓の一番右が反応していないな・・
とりあえず
ダイヤルを回し
チューニングを合わせてみる・・・
果たしてアンプに信号は送られてくるのか・・・
イエス!
受信&出力 共に問題無し!!!
イチカバチカの落札は大吉だった!
あー なるほどっ
受信出来る放送局に合うと
その周波数が表示されるという仕組みね。
三つ目の窓。
そのセンス、憎いね。
L-01Tと重ねて置きたかったけど
配線廻しがちょっとめんどいので
とりあえずこういう収まりになりました。
ところで
全体的に美品と言えるT-2ですが
よーく見るとメーターの塗装が剥げている・・・
気が付いてしまった以上はなんとかしたいけど。
古いチューナーの修理を趣味で行ってくれるサイトを見つけたんで
何れ依頼をしようかな。
受信&出力に問題ありませんでしたが
本来のカタログ性能が発揮されているのかわからない。
L-01Tと聴き比べて見ました。
やはり当時のTRIOとYAMAHAのフラッグシップ機
共にレベルの高い音を出してくれます。
L-01Tの真骨頂は音場の広がり!
情報量も多い。
響きが豊か。
艶のある音というのかな。
だだ、これってソースによってはどうかなって印象
一方のT-2
各楽器が迫力を持って前面に押し出されてくる。
低音も力強い!
外観との違いに初め驚いた。
音の広がりについてはL-01Tに譲りますが
各楽器の定位はしっかりしてる。
音像の輪郭もこちらに分がある感じ。
ライブを聴くならT-2を選ぶかな。
ともあれ
T-2の高級感
L-01Tの美しさ
どちらも所有する喜びを与えてくれるチューナーです。
こうなると他の名機も欲しくなってきちゃうよね~
チューナー界の頂点に立つ L-02T とか・・・・
メンテが可能な内にお迎えしたいが
当時の性能を保った美品だと15万はするしなぁ
技術を継いだL-03Tも妥協したと言えない実力の持ち主。
さらにテクニクスの9000シリーズ
これもとっても魅力的。
FMなんて
今や休日に数時間しか聴いてないんだけどね。
ところで・・・・
メッチャ写り込んでましたね。
定位も美しさもない
部屋の散らかり様が (/ω\)
あ 広がり方はいい勝負か。
チューナーを買い足したので分配器も購入。
機器が増えたのに電波減衰が全くない優れものです。