毎朝の徒歩通勤は約18分。
今夏の酷暑、かなり身体にこたえます。
近鉄長瀬駅前の小生の工房、リペアショップPINOに辿り着いたら身体は汗びっしょり。
開店前、シャツの着替えからルーティンが始まります。
先日の事。
大学生S君は、1年生になったばかりでお父様を亡くしました。
まだ42歳の父親を突然に見送る事になり、その気持ち、いかばかりかと思います。
少し落ち着いたある日、父の遺品からカンペール/ブーツを見つけました。
古いから靴底が剥がれています。
でも、
「履きたいな・・・」
修理代はいくらかかるか。
それをお母さんに相談すると、近鉄長瀬駅前の靴屋さんでやってもらいなさい、となりました。
修理金額はできるだけ控えめにして、修理に着手しました。
カンペールの靴はどれも簡単構造で知られています。
中底は紙素材が多く、シャンクも入っていないものが殆どです。
ですから割合に軽量で柔らかいのです。
今回は、劣化状態から靴底を全て作り替えが必須で、
これから長く履くことができる強度を出すために、ゼロヒールをやめて20ミリのヒール高さをつけてカエリを良好にしてあります。
親父の愛したカンペール。
S君はどの様に大切に履き繋いで、早逝の父の分まで
歩いていくのか、小生は陰ながら楽しみにしていますよ。
「よっしゃ、できたど!」
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