毎度、読んで若干精神的にやられながら頑張って読んで、ちょっとずつ内容を忘れて最初から読んで「うーん…」と唸りながら読んで、精神的にちょっとやられて、を繰り返しているわけですが。


あ、アンダーグラウンドって村上春樹のノンフィクション作品です。

地下鉄サリン事件の関係者62人にご自身でインタビューしているものです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89_(%E6%9D%91%E4%B8%8A%E6%98%A5%E6%A8%B9)

Wikipedia貼っておきますね。

この事件に関してはきっとわたしは一生忘れることはないでしょうし、たびたびブログにも書くだろうなと思ってます。

実際去年書いてるしね…。


https://ameblo.jp/shokuniku-ichi/entry-12794657477.html


この、「アンダーグラウンド」はちょっと他の新聞記事とは違う感じがします。

小説家の村上春樹が書いているというのはもちろんあるのかもしれないけど、ひとりひとりの雰囲気やお話のしかたなどを描いていて『顔がある』んですね。

作品内で書かれてるけどマスコミとしては「傷つけられたイノセントな一般市民」イメージで固定したかった→被害者たちにリアルな顔がない方が文脈の展開は楽になるから、その固定された図式を外したかったそう。

どんな生活をしていて、どんな考え方をしているのか、仕事は何か、ご家族はどんなか、そういったことが排除されずに書かれている。

そのせいか、人の温かみがあると感じます。

ひとりひとりの、それぞれの3月20日。

大変丁寧なインタビューを実施したのだなと伝わるし、相手をすごく尊重しているのが分かる。

言っちゃなんだけど、他のマスコミ記事は「こういう結論に持っていきたい」という気持ちが先にあってインタビューを誘導、もしくは操作しているように感じるからなんだかうすら寒いというか、これならインタビュー要らないんじゃないかなって思うことも多い。

いつも通りの村上春樹の文章なんです、淡々として分かりやすく、妙な詩的表現はない。

淡々としているからこそ当時の混乱ぶりや恐ろしさがやけにダイレクトに伝わる気がしますね。

これは村上春樹にしかできない仕事だろう、と思いました。


今の若い人に伝わってほしいな、と思います。

電車やバスで「不審物を見かけたら触らずに係員に伝えるように」といったアナウンスがあるのは何故なのか。

駅のゴミ箱がなかったり、あっても形状がやたらに防犯に特化している理由は?


この事件が様々なところに影響したんですよ。

親御さんの世代でももうリアルタイムでよく覚えてるという年齢じゃないかもしれないですね。


直接は事件に巻き込まれなかったわたしですら、しばらくは電車やら人ごみが怖いと思ってましたからね…。

この事件に限らず嫌な事件は沢山ありますが、是非ともこの本は読んでもらいたいなぁ…。

などととりとめもないことを考えていたら眠くなってしまったので今日はこの辺で。


それでは、また。