第8回 ちぢれた移植毛が気になる | 他院での自毛植毛の失敗、経過など写真付きで解説

他院での自毛植毛の失敗、経過など写真付きで解説

自毛植毛の失敗で悩んでいる方 植毛のやり直しは任せてください
植毛はオーダーメイドでありその人に合った治療が必要です。
何より大事なことは、正しい知識と技術を持って治療することです。

「もともと直毛なのに移植毛がちぢれている。元に戻りますか?」
という質問を時々いただきます。
移植毛のカールは通常の経過で自然に直っていくものと、いつまでたっても直らないものがあります。


直るカールと直らないカールがある


【直るカール】

休止期を経て発毛した移植毛は細くもともと直毛の方でも少しカールしています。くせ毛の方はさらに縮れがひどくなります。
いずれにしてもそれらが太くなるにつれて、もともとのドナーのヘアと同じになりますが、完全にとなれば1年以上かかります。
私は15年前にヘアラインの植毛を受けましたが、1回目の6ヶ月目と11ヶ月目の写真を比較するとそのことが分かると思います。

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【直らないカール】

時折強いカールが見られることがあり、残念ながらそれはいつまでたっても直りません。

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なぜ直らないカールができるのか?

直らないカールについていえる事実は以下の事柄です。

・傷跡への植毛ではこの比率が大きい。

・こめかみへの植毛ではこの比率が大きい。

・植毛の経験に応じてこの比率が減っていく。

カールの原因について今まで植毛医から語られることはありませんでした。
私も長い間その原因はわからないでいたのですが、今では株を挿入する際の不適切な深さがその原因ではないかと考えています。これはあくまで私の説ですが。


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ヘアは毛根から頭皮まで4~5.5mmの深さで生えていますが、移植毛を押し込み過ぎると根元で折れ曲がってしまいます。
萎縮した傷跡やこめかみはドナー部の頭皮より薄いのでカールのリスクを大きくしていることや、経験の浅い植毛チームではスリットに株を強く押し込む傾向があるためによりおこりやすくなるとにらんでいます。


カールの予防策は?

移植毛の深さを測ってそれに応じて深さのスリットを作ることや株の挿し込みの際に強く押し込まないなどがポイントです。ただ経験を積んでいてもカールを0にすることは難しく1~2%のカールは想定内だと思います。小さい%のカールも“失敗”だとされると正直植毛医にとってはツラいものがあります。

直らないカールの改善策は?

残念ながらそのヘアを抜去するしかありません。