マイマイカブリ採集 | 明治大学 植物保護研究部のブログ

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明治大学理科部連合会に所属する「植物保護研究部」
通称『植保』のブログです。
植物をはじめとした生物全般および鉱物に関する記事を書いています。

こんにちは。
前回のマルバネクワガタ採集報告に引き続き、1年の昆虫担当K庵であります。

採集等でお会いする方から、
「昆虫のブログも更新して欲しい」
との声を掛けていただく事が多いので、積極的に更新している(つもりな)わけです。


さてさて、この寒い時期、昆虫も一部を除いては越冬体制に入っています。
昆虫採集もオフシーズン・・・。


暖かい部屋で温かいココアでも飲みながら・・・。

って・・・。

とんでもない!
昆虫採集にオフシーズンはありません(断言)!


冬の昆虫採集の筆頭はオサ掘りです。
※オサムシを掘る事です。


という事で、今回はオサムシはオサムシでもマイマイカブリを採集してきました。


舞台は茨城県の某河川敷。
他大学の方との採集です。

こんな感じです。

一見荒れているようにも見えますし、重機が入って工事が行われてもいました。
しかし、こういう場所こそ穴場です!

マイマイカブリは倒木や土溜まりの中で集団越冬します。

このような、荒れているように見える河川敷では、越冬に適した場所が少ないため、1つの場所にマイマイカブリがかたまっているケースが多いのです!

環境がよく越冬場所が沢山あると、マイマイカブリが分散してしまうのです。

もちろん、マイマイカブリを養えるくらいの規模の河伴林があることが条件ではあります。


そうこうしているうちに、ありました。

ヤナギの根際に土が溜まっています。
ここを手鍬で掘ると・・・。


はい、出ました。
正式名称:マイマイカブリ関東・中部地方亜種
通称:ヒメマイマイカブリ
です

マイマイカブリについての詳しい解説はコチラ


ええ、サボらずあらためてここに書けば良いことなのですがね(^_^;)
何せ奥が深い!(面倒くさいとも言う)


ちなみにこの場所からは100頭程のマイマイカブリが出てきました(大半はリリース)。


また、やわらかい倒木をちょちょいと割ると・・・。

こんな感じで詰まっています(笑)


マイマイカブリの採集は簡単ですから、皆様もぜひお試しください!


余談1~
この川の上流にはマイマイカブリ関東・中部地方亜種東北地方南部亜種(通称:コアオマイマイカブリ)雑種(正確には亜種同士の交雑帯)とされる通称ミヤママイマイカブリというのがいる(らしい)のですが、それらが大雨などによって流された木にくっついて下流まで流れ着く、なんてこともあるようです。

そのためでしょうか、この川に限らず関東北部のマイマイカブリコアオ(と言うよりミヤマ)マイマイカブリの特徴を持つ個体が見られます。

※あくまで推測です。


コアオマイマイカブリの特徴は色の美しさ。

福島県産コアオマイマイカブリ(ミヤママイマイカブリとのグレーゾーン?)


今回の採集でも沢山の美しいマイマイカブリが採集出来ました。


グリーン



ブルー2タイプ


グリーンブルー


全部同じ川で採集したマイマイカブリです!
産地偽装はしてません(笑)


このような色のバリエーションがこのマイマイカブリの一番の魅力でしょうね


~余談2~
マイマイカブリ採集においては副産物として他のオサムシやゴミムシがよく得られます。
その副産物の中には意外と珍しい虫が紛れていることも・・・。


このジャイアンツカラーのゴミムシ。
コヨツボシゴミムシというゴミムシです。
こちらの写真を某SNSに投稿しましたら、「そこそこの珍品ですよ」というコメントをいただきました。
どうやら関東地方ではそれほど数が多くないようです。
こういう出逢いもオサ掘りの楽しみです!


私K庵、マイマイカブリには手を出してまだ1年も経っていません。
これからもどんどん採集に行こうと思っています。


では、失礼します(^O^)/