基本的な金型製造工程

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「食品トレー試作開発研究所」です。東京大田区の真空成形金型製造の㈱城南村田60年の歴史と2万型以上の実績・経験を改めてブログにまとめながら、食品トレーに関する様々なお困りごとを解決する研究所です。

第3回は基本的な金型製造工程をお話しします。

金型製作の工程は簡単に説明すると下記の様になります。

1. トレーの設計
通常はCADで設計を行います。現物の寸法・触れてはいけない箇所・左右・トレーの重ね方・寸法精度・デザイン等々の条件を加味します。
木型で製作する場合は形状が複雑なため図面化出来ないことも多々あります。というよりは複雑な形状なので木型で製作するという感じです。CADの場合、人の手でなければ表現出来ないような複雑さ(デザイン性が高い)は苦手です。
2. 金型 or 木型
一般的には金型を作りますが、数量が少数の場合・マシンングセンターで削りだすには大きすぎる場合など、木型で済ませることもあります。
3. 金型製作方法の決定
鋳物鋳造or切削:トレーの性格・用途・デザイン等で決まってきます。
4. 鋳物鋳造の場合
(ア) 試作型製作→サンプルトレー成形
① 現物(トレーに入れるものです)合わせで試作木型を作りサンプルトレーを成形します(木型で製作する場合はデザインが複雑なものが多く、現物を採寸し合わせていきながら進める場合が多いと思います)。
② CADで設計を行い、NCマシニングセンターで樹脂型を切削し、サンプルトレーを成形します。
(イ) OKが出れば鋳物用木型(樹脂型)原型製作
(ウ) 鋳物でキャビ製作
(エ) キャビ仕上げ(角出し・ゆがみ直し・真空孔・磨き)
(オ) 組み上げ
(カ) プラグ製作
(キ) 抜き型製作
5. 切削の場合
(ア) 試作型製作→サンプルトレー成形
(イ) OKが出ればNCマシニングセンターでキャビ製作
(ウ) キャビ仕上げ(真空孔・磨き)
(エ) 組み上げ
(オ) プラグ製作
(カ) 抜き型製作

金型の製作で悩まされる点は大きく分けると2つあります。
1. 形状
見た目重視なのか機能性重視なのか?精度は?
食品トレーは機能性も大事ですが見た目も大事です。
工業トレーはどちらかというと機能性重視。
ブリスターパックも食品トレーに似ていて機能性も見た目も大事です。ブリスターパックの場合は成形品の透明度の高さが重要になります。
2. 面付け
真空成形は前回お話しした様にシート状の樹脂を過熱軟化させた上で真空状態にすることによって成形する方法です。どのような形にするかを決めるものが金型です。一般的にシートの幅は640mmです。両端を銜えて押さえるので有効寸法は大体600mm程度です。この幅600mmの中で成形を行っていくのですが、トレー単価を考えるとショット工賃+材料費+抜き工賃+梱包等・・・という原価構成になっているため出来る限りショット工賃は抑えたくなります。そのためには600mm x ○○○mmの面付けを増やしたいですよね。面付けを増やすと金型代も上がりますから、それなりの生産量が必要です。ただし、増やしすぎても成形後の工程が間に合わない・・・なんてこともありますので、増やせばいいって話でもありません。つまり面付けをどうするかは、見込み生産量とシート種類&厚み、抜き作業等に必用な人数のバランスで決まってくるものです。難しいですよね。

使用目的
形状や面付けの話しをしましたが、最も重要な点はそのトレーの使用目的です。何を目的として作られるトレーなのか?何を入れるのか?耐熱・耐寒は?販売用?搬送用か工程内か?使用目的を満たす条件を考慮し、金型の製造方法を決めていくことになります。


次回は真空成形で使用するシート材料(樹脂)のお話しをする予定です。

青沼

真空成形とは?

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第2回の今回は基本的な金型製造の工程をお話しです。と思っていたのですが、その前に真空成形の簡単な説明です。

真空成形とは、言葉通り
① 真空にして
② 成形する
方法です。「百聞は一見にしかず」ということわざもあるので簡単な絵を使って説明してみたいと思います。

真空成形イラスト


こんな感じです。んんん・・・写真が小さすぎて見づらい(泣)。見づらいかもしれませんが・・・見ての通りシンプルな成形方法なんです。
(1)金型にシートをセットして、加熱し、シートを軟化させる。
(2)真空孔から空気を吸い出し真空にしてシートを型なりに変形させる。
(3)金型から成形品をはがす。

特徴は
① 金型がオス(凸)型もしくはメス(凹)型どちらかのみで成形可能(金型代が安くすむ=メリットですね)
② Aの面積がA´の面積に広げられるため、もとのシート厚が保てない(サイコロを想像してもらうと分かりやすいのですが、ピンクの面が同じ深さまで成形されるとミドリの面(5倍の面積)に伸ばされてしまいます=シート厚は1/5???)。深い成形(おおよそ1:1までが基準です)は出来ません。
③ 壁Bのテーパーが90度に近くなると成形品が金型から離型しづらくなる(上から見て見えない形状は基本的には真空成形に向いていません)。

結果的には表面積に対して浅くて上から見たときに全てが見える形状=トレー形状のもの(食品トレー・工業用トレー・ブリスターパック・お面等)を製作するのに向いているのが真空成形です。

ちなみに弊社では木型・樹脂型を作り、試作・成形を行ってから本型を製作することが多いです。実際に成形してシート厚の残り=強度・ポケットの精度等を確認したいですよね。

次回は基本的な金型製造の工程をお話しする予定です。

青沼
第1回の今回は運営会社である㈱城南村田の自社紹介です。
① 1949年創業。1965年に株式会社になりました。
② ㈱城南洋紙店・㈱ムラタ洋紙店・㈱トーマックの3社が合併して出来た会社です。
③ 主力事業はみなさまの「包む」をお手伝いすることです。真空成形金型及びトレー・紙・板紙を扱っています。
④ 真空成形金型製造業として起業した先代は木型職人でした。ですので、今では業界的にも希少な木型職人(大田の工匠・平成25年度受賞)が働いています。
⑤ 昔から食品トレー用の金型を多く手がけてきました。食品トレーと言ってもバレンタインに代表されるようなギフト食品トレー用金型が得意です。
⑥ 20,000型以上の金型(←正確には分かりません・・・)を作ってきました。
平成24年度優工場に認定されました。
⑧ 東京のものづくりのど真ん中、大田区蒲田の町工場です(蒲田駅徒歩10分)。
かんばん

筆者である青沼の自己紹介も少し・・・
① 男性
② 1970年1月1日生まれ
③ AB型
④ 趣味は釣り(最近は近所の川でフライフィッシングがマイブーム)・自転車も好きでしたが最近は釣りばっかりです。
青沼イラスト

次回は基本的な金型製造の工程をお話しする予定です。

青沼