講義研修3&4概要
講義研修3単位と4単位目です
講師は、プロダクトデザイナー 荻野克彦 氏
写真--数百枚を使っての説明でした。
講話の概要は
○工業化社会-マスメディアによる「画一化」
ピラミット構造による集団対応。平均化する事で鮮度を失う。
○国際化と情報化の時代
○生産と消費のパターン
欲望が欲望を生むという限度無き「欲望の消費」を根元的に見直す時。
○個人化の一方で疎外感の増長。
基本的な問題に対する問いかけを避け、公共意識を喪失しつつある。
○根拠のない幸福感。
将来に不安を感じながらも、その不安に背を向け、日常の中で気を紛らわせながら生きている。
○規格化された人為的環境。
多くの人が自信と希望をなくし「自分が何者であるか」を見失う。管理社会。
○社会意識の変化。
○産業・人口構造の変化
○脱工業化社会-マルチメディアによる「差別化」
自己実現、自己表現など自分自身のスタイルを形成し多様化する。
○生産と消費-「価格破壊」
ものでも、情報でも、不足している時は人と同じものがほしい。
有り余るようになると、特別なものがほしくなる。
必要ないものにお金を払うことは、馬鹿らしくなる。
○生活者
ものの良し悪しを品質や価格、安定性、見栄えで決めるばかりでなく、
使用材料や製造過程すら視野に入れ、環境と健康に与える影響などに
配慮する。
○制動する時代-前進→峠→抑制
限度を自ら知って自分らしく「私はこう生きる」という譲れない独自の世界を持 つ。
○集団から個へ。
自分から積極的に仕事に専念できる「個」を確立した企業人、
作り手が「個」として使用される時代。
○個-顔が見える
「自分が本当にほしいもの」という個人の思いを発し、こだわりを持ち
責任の持てるものを作ること。
○ONEtoONE
作り手の感動にうなずき、価値観を共有した「-対-」「個対個」の
対等な関係。
○バイオリ-ジョン
外にあっては国際化を、内にあっては風土性や歴史など、
地域ならではの生活文化を踏まえて「棲み分け」を行う時代。
○INTERDOMESTIC
農林漁業、地場産業による地域の活性化が必要。
○世界秩序
「人類の目線」全体的で包括的な枠組みと方向付け。
「何故そうでなければならないのか」という理念と哲学。
○地域アイディンティ
地域への愛着が生まれる。環境を意識し、生活意識を高める。
○地域資源を活かす。- 地域産業の活性化。
地域への関心を高め、ものを大切にする心が生まれる。
○キーワードは「デザイン」
地場産業などもの作りの現場に「デザイン」を導入し、地域の活性化
を図ることはもとより、商業や交通、情報などのサービス産業、農林漁業、
観光などの自然環境分野においても「暮らしの豊かさとは何か」といった
基本的問いかけを絶えず行う「デザインの視点」は必要。
○「デザイン」とは「人を動かす方法」
目に見える形や色-意匠ばかりでなく、新しい考え方に立って物事を
行うことであり、感動を呼び起こすための優れた想像力を発揮すること。
○安定なしに「地域振興」は成立しない。
○地場産業-1
あるものを素晴らしいと思うこと、そのものを作りだした人々を
素晴らしいと思うようになるし、その地域振興を素晴らしいと
思うようになる。
○地場産業-2
都会では不可能な「住む場所」と「働く場所」の両立。
都会との格差が感じられないだけの情報を受けられる。
豊かな生活が展望できる環境の創造、支援。
○地場産業-3
「地域流通」自分達が必要とする身近なものが外部の人からも
喜ばれる。
「広域流通」外部の人達による口コミ、地域外での催事による流通
などネットワークの確立。
○環境の快適性
お寺や神社、教会やモスクなど精神的空間を大切にする。
同様に美術館、博物館、図書館、公園や水際の遊歩道などを整える。
○「デザイン」による光と影
人間の活動や社会のあり方の良い面、悪い面がデザインに表れる。
○情報を読み解く
「動く方向」を分析し、予測する力を養う。
○変わる時代へ対応と、変わらない価格の追求。
前に正しかったことは、今は、正しいとは限らない。
○これからの座標
地域を支えているのは地域であり、地域の住民。
これまでを総括し、これからを考察する。
地域特性を活かした「価値」の創造。
地域支援は、地域住民と共に展開し地域に任せる。
シンプルで、飽きのこない贅沢なもの。
機能的で、素材が生きているもの。
手入れが簡単で、末永く愛用できるもの。
無駄がなく、手頃な価格のもの。
いつでも買い足せる、補充のきくもの。
省スペースで、空間を効率よく使えるもの。
○「手」はもの作りの基本-手仕事は熟練
熟練とは複雑で微妙な行程を単純化する試みの積み重ね。
手仕事というのは、難しいものほど実は道具立てが簡単。
○楽しく生きる
「知る」対象の存在に気づく。
「好む」対象に特別な感情を持つ。
「楽しむ」対象と一体となり、美意識や感情、遊び心、創造性を
共有する。