この季節が来ました。
12月のこの季節
になると、白老ではこの風景が観光客の目を引きます。![]()
これは、アイヌ民族博物館のアイヌ伝統保存食づくりの工程の一つです。
自然に恵まれた白老には、アイヌ民族が独自の文化を持って暮らしてきましたが、その文化を保存し、また今に伝えるのがアイヌ民族博物館です。
サッチェプづくりもその一つとなっています。
サッチェプ(プは小文字でほとんど発音しない)
一見、鮭のトバのようですが、味や作る工程等から、まったく違うものです。
9月~10月、白老の前浜で獲れる鮭を新巻状態にし、保存します。12月のこの時期から2月頃まで、外で寒風干しをします。
そして、その寒風干しにしたものを”チセ”の中の囲炉裏の煙だけで、4月下中頃まで実に約2ヶ月間じっくり燻していくのです。![]()
その全工程は実に約7ヶ月以上に及びます。
チセ内に吊るされたサッチェプは、アイヌ伝統の歌や踊りを眺めながら、その旨みを吸収し、ほかでは味わえない、また、真似の出来ない希少な伝統食となるのです。
表面の皮はガチガチに硬く、中がしっとり熟成されたサッチェプ。あえて”トバ”とは呼ばない理由がここにあります。


