こんばんは 「ようよう坂町」
今日は彼岸の入りです。26日の彼岸明けまでが彼岸ですが、墓参りで
賑わう季節でもあります。私はもう昨日早めの墓参りをしました。
また明日から3日間わがお寺宝海寺では「彼岸法要」が行われますので、
お参りする予定にしています。
連休明けの今日は台風15号の影響でしょうか。一日雨でした。気温も
23度と、今までの暑さとは打って変わって涼しい1日でした。
名古屋では何んと100万人余りの避難指示、避難勧告が出る大雨となっ
ているとのことも含め、西日本各地で大雨による被害が出ているようです。
台風15号はほとんど停滞していましたが、ここにきてスピードを上げ日本
に接近中、しかも大型台風に発達しており、その進路が心配です。
21年前の今日は台風19号が広島地方を直撃、大きな被害が出た日で
もあります。わが町でも浸水や海岸通りの道路決壊など大きな被害が出ま
した。そんな悪夢が思い出されました。どうか大きな被害の出ないように祈
るばかりです。
さて、いつもなら月イチウオーキングの「ようよう坂町ウオーキング」に
参加するのですが、今月は4日(日)に健康ウォークとして開催されました。
ちょうどこの日は「第3回全国商工会ブロガー交流会」で滋賀県に行って
いましたので、参加できませんでした。
交流会風景と皆さんが持ち寄った特産品です。
そんなわけで皆さんと歩く機会を失っていたので、少々さびしい気分になっ
ていましたら、先日呉市安浦町に住んでいる従兄から電話があり、坂町を
歩きたいのだが案内をしてくれないかということでした。当日は中学校の体
育祭で来賓として出席する予定でしたが、途中抜けて案内をすることにし
ました。体育祭の開会式だけに参加し、午前9時40分坂駅に行きました。
もう既に来て、準備体操をしていました。呉市安浦町のウオーキングクラブ
20人の方々です。
毎月1回10日に各地をウオーキングしているとのことで、坂町は2回目で
す。従兄は坂町出身ですが、現在は安浦に住んでいます。
30度を超える残暑厳しい中、坂駅をスタートし、総頭川沿いを歩いてい
きます。
しばらくすると、浄土真宗西林寺に到着です。東岸山西林寺といいますが、
元禄元年(1688)住職在立(ぞんりゅう)の時、左側写真の向こう側の山麓
の塔の岡から、現在地に移し東岸山と称しました。焼失前の本堂は文化
11年(1814)再建されたもので、当時坂村の人口は2,412人、その後明
治35年境内拡張、地上げ、翌年石積みと経蔵が完成しました。
今から数10年前に焼失で本堂は鉄筋造りとなっています。
西林寺でしばし休憩の後、再びウオーク開始です。
上条トンネルとその地取り付け道路の上条道路は、坂町の「青の洞門」に
似た昭和のトンネル物語です。畝為吉翁は、明治22年生まれで、少年時
代生まれた上条地区から海側の植田地区へ畑に使い走りに出かけていま
した。今のトンネルの上の急勾配の山を越えることは少年だけでなく、地区
住民にとって、不便極まりない難所でした。
そんな時、呉線のトンネルが開通したのを初めて見て驚嘆し、この山に
トンネルを掘れば、村の人も(その当時坂村)楽になるだろうと、秘めた決
意を胸に、わずか16才の時、単身でハワイに渡りました。
以来40年余り、汗と油の辛苦の結果、マットレス工場を経営、巨万の富を
築き上げました。
終戦を迎え、郷愁による「少年時代の夢」の実現をしようと、郷里の人た
ちに「トンネル計画」を送りましたが、地区の人たちは呆気にとられ、半信
半疑でしたが、やがて巨万の蓄財と熱意を知り、道路改良期成会を結成し、
畝翁の帰郷を待ちました。
昭和24年8月に帰国、準備を始め12月半ばに着工、町は県費助成を
取るべく計画しましたが、畝翁は強く拒絶。工事費全額を畝翁が個人で出
資し、地区単独工事として、地区住民(戸数300戸余)が総出でとりかかり、
起工以来1年4ヶ月で全通完成を見ました。
トンネルは幅4m、高さ4.5m、長さ110mで、道路延長は1,400m、上条地区
から植田地区を経て、国道31号まで車の通行が可能になりました。今では
少し狭い道幅ですが、その車もほとんどないその当時は画期的な道路でし
トンネルと道路だけでなく、地域の子供達のために、約300坪のグラウン
ドと水泳プールまでつくられ、畝翁の心づくしが感じられます。
畝翁は、この事業は両地区全体の汗の結晶ということで、トンネルの両入
口には「協力一致」「共存共栄」という文字が刻まれています。
上条道路を外れ、植田地区のニュータウンに入っていきます。瀬戸内海
を眺めながら下っていきます。このニュータウンは広島呉道路(クレアライ
ン)の立ち退きの皆さんの移転先となっています。さすが新しい団地内に
は立派なウオーキング道が整備されています。
途中公園がありましたので、瀬戸の島々の景色を楽しむためにしばし休憩
です。
瀬戸の島々として江田島や似島(にのしま)、宮島などが見えます。遠くは
岩国まで見えます。反対を見れば横浜地区や広島市内が見えます。
眼下には国道31号、JR呉線、広島呉道路が並走しています。
団地を下っていきます。ウオーキング道には所々休憩イスがあります。
ありがたい配慮です。
広島呉道路の工事用道路は、現在町道に移管され、整備されて便利に
なっています。広島呉道路から横浜トンネル、横浜地区を眺めます。
約1時間半、暑い中をウオーキングし、出発地の坂駅へと無事帰ってき、
解散です。ありがとうございます。安浦ウオーキングクラブの皆さん。
安浦も海に面しており、あまり珍しくないコースでしょうと話しましたら、坂は
便利で景色もいいし、いい町ですね。できれば住んでみたいといわれました。
確かに先日も夜間電車をのり過ごし、安浦駅の一つ手前の安登駅まで行き
ましたが、電車の便の悪さを感じました。呉までとそれ以遠の電車の本数を
比べれば、それも納得です。
いずれにしても、こんな暑い時でなく、梅や桜、そして紅葉の美しい時にまた
ウオーキングにお出でくださいとPRしておきました。