こんばんは 「ようよう坂町」
お盆も終り、夏休みも大詰めとなってきましたが、今
年の夏はどこか旅行に行かれましたか。
先月末に呉広域商工会さんの全国展開プロジェクト
事業「広島オイスターロード調査研究事業」の視察で
島根県隠岐の島の海士町(あまちょう)へ一泊二日で
行ってきました。正に海外へ行くように長旅でした。
午前11時30分広島駅をマイクロバスで出発し、島根
半島の七類港午後4時50分のレインボーという高速
船で日本海を渡り、隠岐の島海士町の旅館に着いた
のが午後7時でした。七類港のレインボーです。
隠岐の島は日本海に浮かぶ4つの島です。1時間余り
でその一つの隠岐の島町へ着きます。
それからまた30分余りで中ノ島の海士町へ着きます。
隠岐の島の海士町の紹介地図ですが、日本を逆にし、
日本を支えています。人口約2,400人の町ですが、
Ⅰ(アイ)ターンの人が200人余りで、“離島発!地域再
生への挑戦”をしている注目されている町です。後鳥羽
上皇が島流しにあい19年間滞在された町でもあります。
今回の視察は岩カキと冷凍施設、出荷状況、観光開発の
取り組み、海士いわがき生産株式会社との意見交換会な
どを目的として委員8名が参加しました。
海士いわがき生産の会社です。
海士の岩がき「春香」というブランドで主に東京方面へ
出荷されています。
カキの種は人工的に種苗します。
そして養殖は1年半海につるし、広島のように筏では
ありません。ロープを張り、その間につるします。
大きくなったカキを、その後いったん陸揚げし、選別し、
カキに穴をあけ、再びつるし、また1年半ぐらい成育
させます。約3年で「春香」というブランドが誕生です。
3月~5月が出荷時期で、広島とは違っています。
主に東京の料亭やオイスターバーが出荷先です。
その「岩カキ」を視察前日の旅館で食べました。
貝の右側に穴が開いていました。今のカキは冷凍との
ことです。ここの冷凍技術は最先端の特殊冷凍(CAS)
で行われているため、旬のおいしさが封じ込められて
おり、おいしくいただきました。
次の日の昼食にもオプション料理でカキを食べさせて
いただきました。
視察から3日後、広島市の居酒屋へ飲みに行くと、入り
口に「大島産岩ガキ」という表示がありました。
広島人の私は夏カキを食べる習慣はありませんが、隠
岐の島の岩ガキを食べたばかりで、大島産の岩ガキが
どう違うか興味深かったので、早速注文しました。
ぷりぷり感にやや欠けるような感じがしました。
普通なら食べないのですが、調査研究期間中なので、
あえてチャレンジしました。大島のカキは天然なので
殻がずいぶん厚いです。
焼きカキも生とあまり変わりがありませんでした。
また、お盆前には、呉広域商工会さんの「広島オイスタ
ーロード調査研究事業」で広島の夏カキ視察で江田島
市へ行きました。
集合場所は今回の視察でお世話になる江田島市商工
会です。江田島市商工会は江田島町、能美町、沖美町、
大柿町の4商工会が合併し、本所は江田島町にあります。
コミュニティセンターとの複合施設でレンガ造りの立派な
商工会館です。左側がコミュニティセンター入口で、まん
一旦商工会に集合し、江田島市職員さん、商工会指
導員さんの案内で、カキ業者さんの所へ向かいました。
視察先は、夏カキの「ひとつぶくん」を育て、販売して
いらっしゃる(有)テツマル海産さんです。
沖美町のカキ養殖場に到着です。
早速船に乗せていただき、「ひとつぶくん」が養殖され
ほどなく筏に到着。筏につるしているカキかごを引き
船上でカキを見せていただきます。
「ひとつぶくん」は、江田島市水産物等販売協議会が
扱っている商品で、広島県が開発した3倍体マガキ
(種なしカキ)です。稚貝(1㎝)をカゴ養殖で大きく育て
ます。このカキは約1年足らずです。まだこの大きさで
稚貝は小さいのでこのネットに入れてから、かごに入
このカキはこの春の稚貝が少し大きくなっています。
ここまででかごを2~3回変えています。この作業が
この海域は大きな川がなく、海もきれいです。向こう
が広島方面です。島は似島です。
陸揚げされたカキは24時間洗浄されて出荷されます。
このカキは1年余りのカキです。
通常のマガキは今、ヒビにつるされています。カキの
種がついたばかりで、潮の満ち干を利用して、弱い
種を落とし強いカキだけを育てるそうです。しばらく
「ひとつぶくん」というブランドで出荷されていますが、
ずいぶん手間のかかる夏ガキです。採算的には
視察の後、「ひとつぶくん」をわざに蒸していただき
試食させていただきました。
大きさにはばらつきがあり、これは小さい方です。
久しぶりの広島カキですが、旬の味を知っている
私たちにはやや物足りない感じがしました。
広島カキといえば、冬場が旬です。そんな中、屋外で
豪快に焼いて食べる「焼きカキ」は本当にプリプリとし
海のミルクといわれるほどの栄養満点の、それこそ絶
品の味です。我が家の隣の公園で毎年1月の第3日曜
日に行う「とんど祭」での「焼きガキ」です。
木で焼くので、火勢が強く、カキ当番も大変ですが、日
頃家庭では味わえない豪快な焼きカキです。こんな風
に次から次へと焼きカキができていきます。これをビー
ルと酒を飲みながら、これでもかと食べていくと、たま
りません。他地区では味わえない、なんとも贅沢な「と
んど祭」です。
そして我が家では、広島カキの旬のシーズンは「カキ
パーティ」を再々行います。身も大きくぷりぷりしていま
す。殻付きカキの焼きカキは炭火で焼きます。
ります。この殻付きカキは選んだカキをかごにつる
して大きく生育させます。宮島などの観光地では
1個300円ぐらいになります。
少し焼きすぎもありますが、身も大きく塩味が付
いて、そのままでもおいしく食べられますが、レモ
ンをたらしてもおいしいです。
こんな食べ方が寒い時期だけでなく、1年間を通じ
てできるようになれば、広島カキももっと身近なもの
になるでしょうし、県外からの観光客の皆さんにも
カキを楽しんでいただくことができます。
カキの通年販売と消費拡大、観光開発事業としての
「広島オイスターロード」への道、呉広域商工会さんの
取り組みは、この視察の後、カキ業者や県内外の消
費者へのヒアリング調査を行っていきます。
そしてその結果で、カキを常時販売する施設設置の
実現性について協議して行きます。
大いに期待したいですね。