こんばんは 「ようよう坂町」
毎週金曜日朝7時から広島市である「積極
人間の集い」は今朝で1322回目です。毎
回いろいろな人がゲストとして来られます。
今回は神伝流広島游泳同志会理事の松岡
千映さんで、演題は「水に学び水に游ぶ」で
す。松岡さんはRCCラジオやテレビの中国
放送に勤めながら、余暇の時間を割いて、
日本泳法神伝流を学んでいらっしゃいます。
日本泳法とは何かについて話していただき
ました。
泳ぐといったら、オリンピックや世界水上な
どのスピードを競う競泳を思い浮かべます
が、日本には諸外国にない日本固有の日
本泳法があります。日本泳法は古式泳法
とも呼ばれ、江戸時代初期より約400年の
歴史をもつ日本古来の泳ぎです。
スピードを競うことを主な目的とした現代の
競泳(クロール、平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎ)
とは異なり、武士のたしなみ、実用的な武術
として発達し、次第に芸術として発展してい
きました。
現在、日本水泳連盟により公認されている
流派は下記の12流派です。
12の流派名と発祥地は神伝流が大洲、神
統流が鹿児島、小堀流が熊本、山内流が臼
杵(大分)、水任流が高松、能島流、岩倉流、
小池流が和歌山、観海流が伊勢、津、向井
流が東京、水府流と水府流太田派が水戸で
す。
かした個性豊かな泳法として発展し、明治時代
に生まれた水府流太田派を除き、ほとんどが
江戸時代に確立されました。
神伝流は日本泳法の流派の一つで、体系づけ
たのは伊予国大洲藩の家老加藤主馬光尚で、
寛永年間(1624~1643)に神伝主馬流を案
出しました。1797年には、愛媛県松山市にこ
の泳法を伝えました。1848年には、現在の岡
山県津山市にも伝えられ、広島には1829年、
主馬流として伝えられました。
流では「あおり足」を用い、無駄な力を省くた
め、できるかぎり身体を沈めて浮きを得る考
え方が基本になっています。
三師を置き、愛媛県・岡山県・東京都・広島県・
新潟県・兵庫県・千葉県などでも流派が継承
されています。
祖父と父が游ぎ手で、父が長く神伝流広島游
泳同志会の会長をしていたため、小学校の頃
から日本泳法に自然に親しんできました。ちな
みに、父は範士、兄は教士、私は教士の資格
をいただいています。今では広島独自の資格、
五段をいただいており、神伝流広島游泳同志
会の理事になってからは、その責任からも泳
法の精進に身を入れ、津山の宗家の息子さん
にも直接教えていただいています。
その宗家の息子さんが何かと我が家の近くに
住んでいらっしゃり、知っている方でした。
何という奇遇なのでしょうか。日頃の練習は県
立体育館や区民スポーツセンターのプールで
しています。
日本泳法は水の国日本で命を守り、生きていく
ために生まれたもので、本来実用的な泳法です。
日赤の水上安全法にも使われています。自分と
他人の身を守ることを主要な目的として発展し
たもので、フォームも根本的に競泳とは異なり
ます。ということで「泳ぐ」ではなく、「游ぐ(およぐ)」
と表現します。でも日本水泳連盟により公認され
ています。日本水泳連盟の公認選手であり、資
格として、範士、教士、練士、游士の資格があり
の伝統文化でもあります。県や市の無形文化財
にも指定されています。習っているうちに次第に、
伝統の素晴らしさが身体に伝わってきます。
競技でないので、自分の心身を磨くことを一義的
に考えるようになります。
極めていけるのが魅力ですね。県の選手権だけ
でなく、全流派が集う大会や研究会もあり、自流
他流の上手な方の拝見するのも勉強になります。
始めると奥が深く、次第に面白さが増してきます。
日本泳法といえば、寒中けいこなどがテレビで紹
介されたりしますが、水が冷たくて痛いような感じ
がしますが、終わったときの達成感・充実感は言
葉に言い尽くせません。心身の鍛錬になります。
広島では1月頃原爆ドームの対岸で開催されま
す。まずみそぎ式を行い、始まります。
私が子どもの頃は、広島でも多くの人が日本
泳法を学んでいました。行事に随分たくさんの
人が集まられていたのを今でも覚えています。
また、県内各地のプール開きやスポーツ大会
などの開会式でも、日本泳法を披露していたも
のです。
現在日本泳法に携わる人が減りましたが、昔
の姿に戻し、日本泳法を未来に伝えていきたい
と念願しています。これが私の夢であり抱負で、
今の私のエネルギーになっています。
日本泳法は、命を守るために生まれたもので、
横泳ぎで、顔を水につけない、目的地を見なが
ら、片手は自由にしています。片手で人をつかん
だりするため、日赤の救急法でも採用されてい
ます。
今泳ぐ子どもが少なくなっています。学校などの
水泳指導は、まず顔をつけることからしています
ので、水泳嫌いが増えているようです。
游ぐことは命を守ることですから、まず浮くことか
ら教えていくのがいいのではないでしょうか。
と結ばれました。
若き美人の女性からこんな話を聞くとは思いも
寄りませんでした。初めての話に今日も感動し
ました。それにしてもその宗家の息子さんが近
所に住んでいらっしゃるなんて。今度話を聞いて
みようと楽しみが増えた朝でした。
松岡さんありがとうございます。
各流派は、川の流れなど地域の特性を生