よく群馬には、あまり方言が無い

と言われますが

そんなことありませんね。

沢山ありますよ。


語尾や口調が強いことから

友人、親子、夫婦、兄弟全てにおいて

群馬県人同士の会話は

群馬に馴染みのない方が聞いたら

口論している様に聞こえるそうです。


私の母親はお隣片品村戸倉の生れです。


尾瀬戸倉は片品でも一番最初にスキー場ができ

私も就学前から祖父母の家に泊まり

冬はスキーをしたものです。


そんな関係で早くから母の弟(叔父)は

民宿を開き、多くのお客様で賑わっていました。


ある晩、祖父がお客様に

「にしらぁ、ゆに、ひゃぁれ」と言っています。


お客様

「………。」


祖父

「はやく、にしらぁ、ゆに、ひゃぁれ、っていってるだぁー」


お客様

「お・お・爺さん、怒っているんですか?」

「僕たち何かしましたか?」


それを見ていた叔父さん

「お客さん、すみませんね。

 お爺さんは、お風呂に入って下さい、と言っているんですよ。」


お客様

「あーっ、そうですか。」

「てっきり怒っているのかと思いました。」



皆さん分かります?

「はやく、にしらぁ、ゆに、ひゃぁれ、っていってるだぁー」

 ↑    ↑    ↑     ↑        ↑

 早く  貴方達  お風呂に 入って下さい お願いします。


になります。


「にしらぁ」は「お主」が「にし」に

それに「ら」が付くと「達」になります。

だから「お主たち」→「貴方達」に


「ゆ」は「湯」の事ですね。

「湯」→「お風呂」


「ひゃぁれ」は「入れ」

優しく言うと「入って下さい。」


「言ってるだぁー」の「だぁー」は

語尾が強いものの

お願いの意味があります。


遠い昔に亡くなった爺ちゃん

なかなかいい味を出していました。にひひ


通訳した叔父さんも今は亡くなり

従兄弟が後を継いでいます。