“農商工連携”に積極的に取り組もうとする人を対象にした「農商工連携塾」が6日、
尾道市御調町尾道ふれあいの里でスタートしました。
地域の商工業者と農林漁業者が互いに連携し
双方の経営資源を有効に活用して行う新商品新サービスの開発などの取り組みを支援する目的

【広島県商工会連合会】-尾道ふれあいの里

温泉や宿泊施設を備えた尾道ふれあいの里


本県連が全国商工会連合会の受託事業
「平成21年農商工連携等度人材育成事業」として実施するもので、
東部支所が講座カリキュラムを企画。
延べ全5日間計20時間の日程で
商工業農林漁業の両方の経営実務に必要な知識の習得を目指します


初日は、県東部を中心に22人の受講があり、

オリエンテーションや農業者、マーケティングプランナーなどによる講演が行われました。
【広島県商工会連合会】-開講式 【広島県商工会連合会】-受講者

県東部などから集まった受講者を前に、尾道しまなみ商工会の田邉憲和事務局長が開会挨拶


カリキュラムの企画立案に携わった中小企業診断士の山根彰彦氏が、
最初のオリエンテーションで農商工連携制度の概要を受講生に解説。


業種の枠を超えた連携によって生まれる新事業展開を促進して、
地域の中小企業者と農林漁業者の両者の発展を実現する取り組みとあらましを説明し、
互いの力を掛け合わせて開発した新商品新サービスを積極的に他地域へ輸出して
地域に活力を与えよう
」と受講者の奮起を促しました。
【広島県商工会連合会】-山根彰彦先生

農商工連携の制度概要の説明をする山根氏


続く講義では、『食は命なり』『農は生命の産業なり』をモットーに、
千葉県旭市で有機自然循環農法を提唱し実践している
“農事組合法人大松農場”大松秀雄代表理事が、「生命を育む農業」をテーマに講演。
【広島県商工会連合会】-大松秀雄先生

千葉県から講師として招かれた大松代表理事


大松代表理事は、儲け優先の価値観が日本農業の凋落を招いた原因と分析。
その結果の一つとして、現代人は農薬や化学肥料を使った
“ウソの結晶”を口にすることに何の躊躇も感じなくなったと警鐘を鳴らし

お金よりも生命を優先する価値観に考え方をシフトさせることが重要」と、
農商工連携に取り組むために必要な視点について提言。


農商工連携で進むべき方向については、
いかに人間らしく互いに支え合えるかをベースに事業を展開することが大切」と述べ、

世の中に役立つ真の美味しさ安らぎを生み出す仕事でなければいけない」と助言。
また、事業規模の拡大を目指せば組織維持の仕組みが優先されることから、
「事業規模はあくまで小さく少人数で」。


さらに、積極的に異業種交流、情報共有を図ることで組織の創造性を高めることが重要で、
方向性に迷う人には、「たくさんお金を得ようとするから仕事が得られない
心を磨いて自分の欲望を極めて抑えれば自ずと道が見えてくる」とアドバイス。
最後に、「真心のある誠実な人的ネットワークを作ってほしい」と受講者に求めました。
【広島県商工会連合会】-大松秀雄先生 【広島県商工会連合会】-大松秀雄先生

食の大切さを受講者に説いて、利益追求型ではない人間味に満ちた事業を行うようアドバイス


次いで、マーケティングプランナーで“ソフトブレイン”主宰の江島康子代表が、
「私たちの子供の子どものこどものために…~今できることから始めました」をテーマに講演。
【広島県商工会連合会】-江島康子先生

 軽快な話術で受講者を惹きつけた江島代表


江島代表は話の中で、情報伝達の重要性を繰り返し強調
江島代表によると「今はどんな商品でもPR次第で売れる時代」で、
商品が売れない理由があるとすれば世の中に伝達すべき自分の思いを十分に伝え切れていないから


商品を売るためにはどうすれば良いかではなく、
自分の思いをどう世の中に広げていくか考えること」が重要な視点で、
名刺が強力な販売促進ツールになると指摘。
江島代表は受講生同士その場で名刺交換をするよう指示し、
名刺を販売促進に役立てるための工夫、コツなどをアドバイスしました。
【広島県商工会連合会】-名刺交換 【広島県商工会連合会】-名刺交換

講義の途中、江島代表の指示でいっせいに名刺交換を始めた受講者たち。場が一気に和んだ


新商品、新サービスの開発にあたっては、作ることを目的にしてはいけないと忠告
作ることを目的にすれば消費者にPRできない商品サービスができるためで
具体的な商品サービスづくりには“売るイメージ”が伴わなければいけない」と助言。

また、商品、サービスを買いたいと思わせるには消費者の視点に立ち、
役立つ情報をいかに正確に伝えるかが鍵になると述べました。
【広島県商工会連合会】-江島康子先生 【広島県商工会連合会】-江島康子先生

 情報の大切さを繰り返し述べながら、売れる商品・サービスづくりのポイントをアドバイスした


今後のカリキュラムは、農商工連携事業の事例紹介自社を取り巻く経営環境の分析

事業プランの作成と発表などを予定。
すべての講座を受講した受講生には修了証書を授与し、
後日フォローアップ講演会を行うことにしています。
【広島県商工会連合会】-交流会 【広島県商工会連合会】-交流会
1日目の講義後、交流会が開かれた。和やかな雰囲気の中、講師と受講生らが親睦を深めた
【広島県商工会連合会】-試食・試飲コーナー 【広島県商工会連合会】-村上支所長

県東部の商工会が開発した商品の試飲試食コーナーを設け、村上設雄東部支所長が商品PR


●お問い合わせ/広島県商工会連合会東部支所 TEL(084)960-3107


本県連主催の「農商工連携塾」については、
広島県商工会連合会公式ホームページ でさらに詳しく紹介しています。
【広島県商工会連合会】