店舗演出、接客、ユニバーサルデザイン対応などの基本的な商業機能にすぐれ、
地域に根づき親しまれている広島市内の中小小売店舗を表彰する
「平成２０年度いい店ひろしま顕彰事業」の８店舗が決まり、
中区基町のリーガロイヤルホテルで先月２７日、表彰式が行われました。
広島市内の商工会地区からは４店舗が選ばれ、
秋葉忠利市長から各店舗の代表者に表彰状と記念品が手渡されました。
先月２７日に行われた「いい店ひろしま」表彰式の様子。表彰式後、市長を囲んで記念撮影した
「いい店ひろしま」は、中小小売店舗の改善意欲を呼び起こして、
商業機能のレベルアップを図ることを目的に一昨年度創設された制度で、
（財）広島市産業振興センター、広島商工会議所、広島市、広島市商工会連絡協議会で組織する
“いい店ひろしま顕彰事業実行委員会”が主催。
初年度は１１店舗、
対象地域を広島市内全域に拡大し実施された昨年度は７店舗が選ばれました。
対象地域が拡大された昨年、安古市町のケー・サヴールが商工会員として初めて受賞した
今年で３回目の「いい店ひろしま」には、
消費者推薦４０１店舗、自薦１９店舗、計４２０店舗の応募がありました。
一般消費者審査員による訪問調査、専門審査員による審査対象店舗選考など
３回にわたる審査を経て８店舗が選ばれ、
うち半数が市内商工会地区からの選出となりました。
商工会地区から選ばれたのは、
明治３９年創業の老舗醤油メーカーの直営店“川中醤油 醤の館（ひしおのやかた）”
ドイツ菓子にこだわった洋菓子店“西洋菓子処バイエルン 祗園店”ほか、
“広島白十字 五日市店”“ベーカリーじゅりあん”の４店舗。
川中醤油醤の館は、本県連が一昨年度実施した全国展開プロジェクトの参画事業所でもある
川中醤油株式会社が自社工場の中で運営する直営店で、
自社製品や醤油にちなんだ特産品などを多彩に販売。
「“伝統”や“匠の技”などのイメージを連想させる店舗外観が非常に趣がある」
「老舗メーカーの直営店としての抜群の品揃えと商品力を持っている」
と独自の店舗スタイルが高評価を博し、
「数多くの種類がある醤油を、豆腐などにかけて試食することができるので、
味や香りを吟味してから選ぶことができる」という消費者目線で考えたサービスや、
「醤油を使ったソフトクリーム、ケーキ、キャラメルなどユニークな商品を扱っている」
と独創的な商品のラインナップも高く評価されての受賞となりました。
老舗の醤油開発メーカーが運営する直営店
西洋菓子処バイエルン祗園店は、安佐北区口田に本店を置く“西洋菓子処バイエルン”の支店。
（社）日本洋菓子協会連合会常務理事、日本洋菓子工業協同組合理事、
（社）広島県洋菓子協会会長などの多彩な肩書きを持つ生田義信（いけだよしのぶ）オーナーが
市内で展開する３店舗のうちの一つで、“祗園地域のいちばん店”として地元消費者から、
本店に劣らぬ圧倒的な支持を受けている洋菓子の名店。
グループを率いる生田オーナーと２代目ご夫妻
「ドイツ国旗の掲揚やさりげなくドイツ車をディスプレイするとともに、
細部にもこだわった店舗演出を行うことで、ドイツ菓子のイメージを上手に表現した店舗」
「各種コンクールで数々の賞を受けており、商品やディスプレイから技術力の高さが伝わってくる」
と消費者の心をつかむ魅力的なお店づくりが好印象を与え、
「接客は丁寧で間の取り方がよく、入退店時、全店員で行う挨拶も感じがよい」
と顧客満足志向を実践している点なども受賞に値すると認められました。
銘菓“ルートヴィヒⅡ世”で知られ、質実剛健なイメージを重視し現代の味覚に合う洋菓子を創作
広島白十字五日市店、ベーカリーじゅりあんもそれぞれ、
「洗練された郊外型の洋菓子店」「創意工夫と温もりにあふれた町のパン屋さん」などとして
「いい店ひろしま」受賞の栄誉に輝きました。
なお、表彰店舗は広島市の広報誌やホームページなどを通じて
広く市民にその情報が公開されることになっています。
洗練された店舗外観の広島白十字五日市店 家庭的な温もりを感じさせるベーカリーじゅりあん
「いい店ひろしま」では、一般消費者が審査対象店舗を訪問して、
表彰にふさわしい店舗かをそれぞれの視点で評価する
“ミステリーショッピングリサーチ（一般消費者による覆面モニター調査）”があり、
その調査結果の内容は審査結果を通知する際に
「審査員等から寄せられたコメント」として各応募店舗に伝えられることになっています。
事務局担当者によると、「売れ筋商品が目線より高い位置に陳列してある」
「店内階段に手摺がなく怖い」などその内容は具体的で、
いわゆる“覆面調査”は、「目からうろこが落ちた」「課題に取り組むよいきっかけになった」
などと店舗側からも高い評判を受けているようです。
「地図を見ながら行ったが、看板が目立たないので店の前を通り過ぎてしまった」
という指摘を受けて実際に看板を付け替えた店舗や、
前回指摘された点を改善して今年度の審査にチャレンジした店舗も中にはあるとか。
「いい店ひろしま」に挑戦することは、受賞という最高の評価に至らずとも、
そのこと自体が経営改善を進めるためのよいきっかけにもなりそうです。
市内商工会地区の中小小売店舗の経営者のみなさん、
来年度の「いい店ひろしま」にチャレンジしてみてはいかがですか。
●お問い合わせ／（財）広島市産業振興センター 中小企業支援センター ＴＥＬ（０８２）２７８－８０３２
「平成２０年度いい店ひろしま顕彰事業」については、
広島県商工会連合会公式ホームページ
でも詳しく紹介しています。
